最近よく聞く「カンパネラ」ってどういう意味?

ヤマシタサイロ
ヤマシタサイロ
2019.09.21
カンパネラとは?

皆さんは「カンパネラ」という言葉を聞いて何を思い浮かべるでしょう?

銀河鉄道の夜』の登場人物だったり、音楽ユニット『水曜日のカンパネラ』だったり、ピアノの名曲だったり。なんだかお洒落な言葉ですが、実際どんな意味なのでしょう?

今回は、そんな「カンパネラ」について調べてみました!

「カンパネラ」とは、一体……?

カンパネラとは一体なに?

companella(カンパネラ)」は、イタリア語で「小さい鐘」を意味します。

教会やお寺の鐘など、吊り下げ式の鐘を指す「compana(カンパーナ)」に、「小さい」という意味を持つ接尾語「-ella(エッラ)」を組み合わせて作られました。

大きさとしては、福引の大当たりで鳴らすあのベルを想像してもらえばまず間違いありません。

また、レストランで店員さんを呼ぶ時に鳴らすミニサイズの呼びベルや、演奏に使われるハンドベル、ペットの首輪に付ける小さな鈴も「カンパネラ」と呼ばれています。

日本の、お寺の鐘はどちらかといえば「カンパーナ」に近いということですね!

知りたい! 「カンパネラ」の語源はコレだった!

カンパネラの語源は?

「カンパネラ」は、古代ギリシャ語で「折り曲げる」を意味する「καμπάνα(カパーナ)」が語源になっているようです。

当時の鐘は、金属を折り曲げて形を作っていたんですって!(現在は、鐘の型を作って造形されるのが一般的だそうですよ。)

これが、ラテン語の「campana(カンパーナ)」となり、やがてイタリア語の「campana(カンパーナ)」となりました。

ちなみに、「カンパネラ」はイタリアではとてもポピュラーな言葉で、地名や人名にも使われています。日本で言うところの「木」さんみたいなイメージかもしれません。

「カンパネラ」を広めたかもしれない、『水曜日のカンパネラ』って知ってる?

さて、冒頭でもすこし触れましたが水曜日のカンパネラという最近話題の音楽ユニットがいることをご存知でしょうか。

おとぎ話のような歌詞の世界観と、ポップでキャッチーなメロディ、魅惑的なパフォーマンスが人気を呼んでいる新進気鋭のアーティストです。

それまでは文学作品かピアノ楽曲の中でしか知られていなかった「カンパネラ」という言葉を若い世代に広めるきっかけとなったのは、ほぼ間違いなく『水曜日のカンパネラ』だと思います。
(ちなみに、「水曜日」である理由は、週の中日に打ち合わせをすることが多かったからだそうです。)

ユニット結成当初は、スカイプ(オンライン通話)で会議をしていた『水曜日のカンパネラ』。もしかしたら、彼らにとっての「カンパネラ」はスカイプの着信音だったのかもしれませんね。

ヨーロッパの鐘は、人々の生活と共にあり

日本では最近耳にすることが多くなった「カンパネラ」ですが、ヨーロッパでははるか昔から生活に根差した言葉だったといいます。

音楽評論家の佐伯茂樹氏によると、ヨーロッパの人々にとって「鐘」は無くてはならない存在だったそうです。(参考:https://yomikyo.or.jp/pdf/book/orchestra-201506-02.pdf

ヨーロッパでは、教会に設置された鐘が時計の役割を果たしています。例えば、7時なら7回、10時なら10回、と人々へ時を告げるのです。

また、町に危険が迫ったときには警鐘を、祝いや祭り事があるときには福音の鐘を、といったように、情報伝達の手段としても大きな役割を果たしました。

さらに、鐘の素材や形によって音の響き・大きさ・高さが変わるため、ヨーロッパの人々はそれぞれ「故郷の音色」を持っているんですって!

「里帰りをしたんだなぁ~」という実感を持つのが鐘の音なんて、とってもロマンチックだと思いませんか!

こんなに違う! ヨーロッパの鐘の音

ここで、鐘の音ってこんなに違うんだ! と実感できる動画を紹介します。

どれも美しい音色なんですけど、それぞれ特徴的で聴き惚れてしまいますよ~!

オーストリア:シュテファン寺院

ひゃー! 荘厳でいいですね

町中に響き渡りそうな、奥行きのある音色が素晴らしいです。これを生で聞いたら、ヨーロッパに来たんだと実感するかもしれません。

ドイツ:レーゲンスブルグ大聖堂

複数の鐘の音が聞こえますね。結婚式をイメージしてしまうのは私だけでしょうか。

高音の鐘も低音の鐘も美し響きで、うっとりしてしまいますね~!

イタリア:サン・ピエトロ教会

なんとなんと、メロディを奏でる鐘もあるんです!

まるで小鳥がさえずるような、可愛らしい音色ですね。

このように、複数の鐘を組み合わせて旋律を演奏できるようにしたものを「カリヨン」と呼ぶそうです。ヨーロッパではカリヨンの演奏会も開かれるんですって!

あなたにとっての「カンパネラ」って何ですか?

あなたにとってのカンパネラは?

「鐘」を意味する「カンパネラ」。

ヨーロッパの人々にとって「故郷の音色」であるように、私たちにも故郷や思い出を呼び覚ましてくれる「自分だけのカンパネラ」があるのかもしれません。

私ヤマシタにとっての「カンパネラ」は、受験生時代に聴き続けたラジオ番組のオープニングですかね。(もしくは、実家の炊飯器のアラーム音かも!)

みなさんにとっての「カンパネラ」は何ですか?

この機会に、懐かしい思い出に浸ってみるのも良いかもしれませんね!

ヤマシタサイロ
WRITER PROFILE

ヤマシタサイロ

鹿児島県出身。地方都市にて広報や商品開発等の観光PR事業に携わりながら、その土地のおいしい物を食べるのが楽しみで仕方ない食いしん坊ライター。音楽と猫とコーヒーがあれば無敵。

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