最近耳にすることも多くなった「フォトジェニック」という言葉。なんかこう、おしゃれで、若くて、ソワソワする言葉だなぁと思ってしまうのは私だけでしょうか!
今回は、いまさら聞けないフォトジェニックのアレコレに迫ってみたいと思います!
フォトジェニックの意味・語源とは?
「フォトジェニック」とは、人・物・景色・動物などに対して、
・おしゃれな雰囲気
・色がカラフル
・画面映えしている
などの意味を持つ言葉です。
簡単に言えば、「めっちゃいい写真じゃん!」という褒め言葉、なんです。
カラフルでおしゃれな外国の写真や、キラキラしたカフェスイーツ、美しくコーディネートされたファッションなど、ぱっと目を引くような写真に使われていることが多いですね。
フォトジェニックの語源は、英語の「photogenic」です。「(人に対して)写真写りがいい、キレイ」という意味で使われます。
物や景色など、いろいろなものに対して使われる日本語のフォトジェニックと比べるとやや限定的ですが、ほとんど同じような意味で使われているんですね。
じゃあ、「インスタ映え」ってどういう意味!?
フォトジェニックと同じような意味で使われているのが「インスタ映え」です。
「インスタ映え」とは、「インスタグラム映えする写真」を略したもの。要は、「たくさんの人の目に留まるような素敵な写真だね」という意味です。
“いい写真”の代表として使われるフォトジェニックも「インスタ映え」の一つに含まれます。
しかし、インスタグラムにおける「フォトジェニック」の立ち位置が少しずつ変わってきているようなんです。
一体、どのように変化しているのでしょう?
最近のフォトジェニックは、「盛り」より「チル」らしい。
フォトジェニックの変遷を語る上で欠かせないのが、「盛り」と「チル」の概念です。
「盛り」はキメキメで派手!
とにかくカラフルで、とにかく派手、そしてとにかくビシッと決まっている様子。
若者の間では、このように普段より素敵に決まっている様子を「盛れてる(もれている)」と表現されます。
(すこし難しいなと感じた方は、明日の夕飯のご飯を、通常の3割増しでよそってみてください。いつもよりこんもりしているはずです。それが「盛れている」状態です。)
見た瞬間のインパクトが強く、印象に残りやすいところが「盛れている写真」の特徴で、インスタグラムが流行し始めた当初から多くの人たちが「盛り」重視で写真を撮ってきました。
しかし最近は、「盛れている写真」の頑張っている感じが不自然、作られたようなシチュエーションはお洒落ではない、という考えを持つ人も増えてきたようで、「盛り」を意識しない写真を投稿する人が増えてきました。それが、「チル」です。
「チル」は自然体でゆる~い雰囲気
日常を切り取ったように自然で、ゆるくて、さりげない様子。
「盛り」とは対象的な、自然体でナチュラルな様子は「チル」「チルってる」と表現されます。
「チル」は英語の「chill out」(チルアウト)が語源になっていて、「ゆったり、まったり、自然体」という意味の俗語です。
最近では、「チル」な写真を撮ることで「インスタ映え」を狙うのがトレンドなんだとか。
フォトジェニックは時代とともに定義が変わっていく
このように、フォトジェニックの定義は時代とともに変化しているんですね。
きらびやかな「盛り」から、自然派な「チル」へ。その変遷の理由の一つには、インスタグラムを始めとするSNSと私たちの関係が変化したことがあると考えます。
SNSが登場するまでの私たちは、ネット中で不特定多数の一人だったことの方が多かったと思います。しかし、SNSができたことで手軽に、自由に、世界に向けて自分の考えを発信できるようになりましたよね。
だけど、自分を表現するからにはやっぱり、「この人はすごいなぁ」「こんなふうになりたいなぁ」「羨ましいなぁ」と思われたいじゃないですか。
誰だってバカにされるのは嫌だし、センスがいいなと思われたい、この気持ちが「盛り」に繋がったんだと思います。
やがて、SNSは私たちの生活の中に浸透し、生活の一部となりましたね。
「盛り」もさほど珍しくないものになってきて、すこし飾ったくらいでは目を引かなくなってきます。
そうすると何が目を引くようになるでしょう。それは、「あ、それ私も知ってる!」とか「その映画おもしろいよね」とか、「わかる~!」といったような、「共感」なのではないかと思います。
自然派でナチュラル思考な「チル」はまさに、共感を呼びやすいことでしょう。
だって、ちょっと工夫すれば自分にもできそうだなって思えるじゃないですか!
そして、「チル」でありながらもお洒落な雰囲気を演出することができれば、「いいなぁ~」と思わせることもできてしまうわけです。「チル」はコストパフォーマンスがとてもいい、そういうところで人気が出ているんだと思います。
ぶっちゃけ2019年「映え」は必要?
こうして考えてみると、「盛り」も「チル」もSNSでウけるように工夫された結果なんだなということが分かりますよね。
つまり、SNS「映え」を追求したら「フォトジェニック」にたどり着くことができると。
そう考えると、「映え」を意識することは、なんとも尊いことだなぁと私は思いました。
他の誰かに「自分」を感じてもらうために、考えて考えて、考え抜いてたどり着いた集大成が「映え」という文化なんです。「映え」上等! と言いたいです。
ただし、「映え」を追求しすぎて他人に迷惑をかけるのはダメですよ。
写真には写らない心の中までフォトジェニックを意識しながら、楽しいSNSライフを送れるようになると良いですね。