8月19日は「俳句の日」です! 実は最近、日本中…いや世界中で俳句が大ブームなんです!! 今回は、人々を魅了する俳句の魅力に迫ってみました。
「いざゆかん 俳句の魅力 ナンスカ編」スタート!
どうして8月19日ナンスカ?
「俳句の日」を制定したのは、京都教育大学教授の坪内稔典さんを筆頭とした俳人達です。
「8(は)1(い)9(く)」の語呂合わせが分かりやすいことと、夏休み中の子供たちにもっと俳句に親しんでもらいたいという想いが込められている記念日だそうですよ!
私が通っていたい中学校でも、夏休みの宿題に「一句作ってくる」というものがありましたが、難しくて苦手でしたね…。
「サラリーマン川柳」等で話題の「川柳」と比べると、小難しくて苦手、というイメージを持っている人も多いかも知れません。
そもそも、俳句とはどういうものなのでしょうか?
俳句文化って、いつから根付いたの?
「俳句」という言葉の生みの親は、「柿くえば 鐘がなるなり 法隆寺」で有名な正岡子規で、明治20年頃のことでした。
「あれ?でも江戸時代に活躍した松尾芭蕉が『古池や 蛙飛び込む 水の音』って句を詠んでなかった?」と思った人もいるかと思いますが、松尾芭蕉が詠んでいたのは俳句の前身である「俳諧(はいかい)」というものでした。
俳諧も俳句と同じく「5・7・5」の17音で作られる詩ですが、一句詠んだあとに次の人が新しい句を付け足していくという「連歌」の中で楽しまれていたものでした。
後に、2句目以降の詩を付け足さないスタイルが誕生し、「俳句」と呼ばれるようになったそうです。
俳句って簡単! 基本ルールはたった2つだけ!
俳句は、世界で一番短い詩です。堅苦しく感じる人も多いかも知れませんが、実はとても簡単に作ることができるんですよ。
ルールはたったの2つ、「季語を入れること」と「17音で作ること」です。
季語とは、文字通り季節を表現する単語のことです。夏であれば、「汗」「アサガオ」「アイスクリーム」など。もちろん、「夏」という単語自身も季語になります。
また、声に出して読んだときに「5音+7音+5音=17音」のリズムが作れていればOK。
極端な話、季語と音数があっていればこんなものでも俳句になるんです。
「あいうえお かきくけこさし すせそ夏」
特に意味もなく作りましたが、「小学校一年生が夏休みにひらがなの練習をしている様子を表現しました」みたいにそれっぽく意味付けすれば、立派な俳句の完成です(笑)。
思い立ったときに自由に作ることができる所が俳句の良いところですね。
現代俳句はもっと自由度が高い! 「自由律俳句」や「HAIKU」も人気
昔ながらの俳句も簡単に作ることができますが、よりルールに縛られない形で言葉を紡ぐ「自由律俳句」や「HAIKU」が世界的にブームになっています。
自由律俳句
自由律俳句とは、「5・7・5」や季語に縛られることなく作られる俳句のことです。ルールよりも、俳句に込められた想いや感情を大切にしています。
自由律俳句で有名な俳人は、尾崎放哉です。
代表作は「咳をしても一人」という一句。中学校の教科書に必ず載っているほど有名な句です。
HAIKU
海外版の俳句です。全体を3行にまとめること、という決まり以外はどんなものでも良いとされています。
「第5回日EU英語俳句コンテスト」の中に素敵なHAIKUがあったので紹介させてください!
A star night sky, 星空が
Merges into spring’s first dawn. 春暁(しゅんぎょう)となる
Birds already chirping. 鳥の声EU部門 Robert Lommen(ドイツ)
日本(日いづる国)とEU(星が瞬く国)の友好を表しているんですって! 素敵ですよね…!
日本の文化が世界で愛されているのは、本当に嬉しいことですね。
最近はテレビでも俳句が人気!
このように長い歴史を辿って生まれ、世界中で愛される俳句ですが、最近は若い世代にも親しまれているって知っていましたか?
ブームの火付け役となったのはTBSで毎週木曜7時放送中の『プレバト』です。
『プレバト』は、人気芸能人・著名人たちが「俳句」「華道」「絵画」「写真」などなど、それぞれの得意分野を披露し、専門家がランキング付けをおこなうというバラエティ番組です。
この番組の中で特に人気なのが、「俳句の才能査定ランキング」なんです!
芸能人たちの披露する個性豊かな俳句と、専門家・夏井いつき先生の痛快な批評がめちゃめちゃ面白い。ヤマシタも、夏井先生の添削が大好きです!
私は『プレバト』が俳句業界にもたらした功績はとても大きなものだと考えています。
木曜7時というゴールデンタイムや、テレビ離れした若い世代を引き込むような芸能人たちの起用も効果的で、大人から子供まで多くの人々が俳句を目にするきっかけを作ったことに間違いはありません。
いつも気になる「お〜いお茶」の俳句に、応募してみない?!
このように、今や世界中で話題沸騰中の俳句ですが、一番身近な俳句といえば「お~いお茶」のパッケージに載っている「伊藤園新俳句大賞」かもしれません!
過去の受賞作品を少しだけご紹介しますね♪
バルコニーで文庫一冊分の陽灼け (東京都 山田 通代 22歳)
消えてゆく人よ明かりよ夏祭り (東京都 石井 楓 13歳)
ぼくは見た花火が鳥になったのを (埼玉県 森嶋 洋介 12歳)
振り向けば絶景なのだと信じたい (宮城県 小林 愛 17歳)
風景が見えてきそうな、気持ちが手に取るように分かるような、生き生きした俳句ですよね!
実は、毎年11月ごろから2月末にかけて「お~いお茶」の公式サイトで作品を募集しています。応募は誰でも可能で、大賞をとれば50万円の賞金がもらえるという、本格的な大会なのです!
しかも審査員がかなり豪華! 作家の宮部みゆきさんや、クリエイターのいとうせいこうさん、女優の吉行和子さんをはじめとする文化人の面々が審査してくれるとあって、応募するだけでもかなり価値があるといえますよね~!
手軽に触れることができるのに、自分ではなかなか作る機会がない「俳句」。
みなさんもこの機会にぜひ、世界で愛される日本文化「俳句」を作ってみてはいかがでしょう!