『潮時』ってどんな時かわかりますか? 突然ですがここでクエスチョン!
みなさんは「潮時」ってどんな時だと思いますか? 下から選んでみてください!
1.物事の終わり・限界
2.ちょうど良いタイミング
改めて聞かれると…なんだか迷ってしまいますよね!
テレビや新聞でも、どちらの意味にも取れるように使われていることがありますが、果たして正解は!?
「終わり」のイメージがあるが実際は…?
「潮時」の正しい意味は、2.ちょうど良いタイミングでした!
正解した方、おめでとうございます!
「潮時」を辞書で調べてみると、
しおどき【潮時】
① 潮が満ちたり引いたりする時。 「満潮の-にかかる」
② 物事をするのにちょうどよい時。 「 -を見計らう」 「物には-というものがある」
出典:『三省堂大辞林 第三版』
タイミングばっちり! ということですね。かなりポジティブな意味合いです。
「潮時」の語源って?
「潮時」の語源は、文字通り海の「潮」が満ちたり引いたりしている様子を表した漁師たちの言葉だったそうですよ。潮の満ち引きがおこなわれる中で、魚が良く捕れる時間やタイミングを「潮時」と呼んだのです。
漁師たちの生きる知恵から生まれたありがたい言葉だと思うと、いろいろな場面で使ってみたくなりますね!
「でも私、『1』を選んじゃった…」という人も実際は多いはず!
とはいうものの、「1.物事の終わり・限界」の意味で使ったことがある人も多いのではないでしょうか。例えば、こんなふうに。
「資格試験を5回受けたけど、今回もダメだった。今が“潮時”かなぁ・・・」
「最近活躍が減っているスポーツ選手、プロ引退の“潮時”なんじゃないの?」
「付き合って3年・・・そろそろ“潮時”かも」
恥ずかしながら、一番上の資格試験の例は私の実体験です(笑)。
高校の時「誰が最初に“漢字検定1級”を取れるか」と競争したことがあったのですが、何度受けても不合格で結局合格することはできず途中で諦めてしまいました。(今でも悔しいです!)
文化庁が発表した平成24年度「国語に関する世論調査」によると、例のようにネガティブな意味だと思っている人が36%もいたことが分かります。
こんなにも前向きな言葉が、間逆の使われ方になってしまうのはどうしてなのでしょう?
「潮時」のイメージは、日本語の“見えない部分”で決まるのかも!
日本には「あえて言葉にしないで伝える」という、かな~り奥ゆかしい文化があると言われています。「察する」とか「空気を読む」文化とも言えますね。
「潮時」に関しても、日本語の言葉にならない“見えない部分”をどう解釈するかがポイントになると考えます。
先ほど挙げたの例の“見えない部分”を考えてみると、
「最近活躍が減っているスポーツ選手、プロ引退の“潮時”なんじゃないの?」
→プロを引退して第二の人生を歩き始めるにはちょうど良いかもしれない!
このように解釈したならば、正しい潮時の使い方をしていると言えますよね。
それでも、「プロスポーツ選手」「引退」というワードが重なると、「終わり・引き際」と捉える人が増えるでしょう。これは、限られた放送時間の中で、必要最低限の言葉で情報を発信する、ニュースやテレビドラマなどメディアの影響も強いのではないかと思います。
いずれにしても、考え方ひとつで反対の意味にもなり得るのが「潮時」です。
発言する人こそ、正しいイメージをもって使うべき言葉といえますね。
「潮時」の正しい使い方を見てみよう!
それではここで、「潮時」の正しい使い方を見てみましょう。
先ほど触れたように、解釈一つで真逆の意味にも取られてしまう言葉です。聞き手に間違う隙を与えないよう、ポジティブ全開で使っていきましょう!
例文①
「そろそろ…告白の潮時だ!!」
→告白するには、最高のタイミングというわけですね! この日のためにたくさん努力してきた人に贈ってあげたい言葉です。頑張って!
例文②
「盛り上がりは最高潮! ケーキを出すには今が潮時!」
→これはおそらくサプライズパーティーでしょうね! みんなのボルテージが最大になったところで登場するケーキ、さらなる盛り上がりを見せることでしょう。ナイス潮時。
例文③
「別な会社から引き抜きオファーがきた、これは転職する潮時かも…!」
→これはもう転職するしかありません。「チャンスの女神には後ろ髪は無い」といいますから、お手本のような潮時だと思います!
正しく「潮時」を使うためには、今が潮時かも!
「潮時」は何かを始める絶好のタイミングという、非常にポジティブな意味でした!
先ほどの「潮時」例文を考えていて感じたのですが、「ポジティブなんだ」と考えながら使うと、なんだか前向きな気持ちになれますよ!笑
今まで間違った意味で使っていた人は、ぜひ今日から正しい方の「潮時」を積極的に使ってみてくださいね!