みなさんは「かませ犬」という言葉をご存知ですか?
スポーツの世界でも多用される言葉でですが、意味やなぜ「犬」という言葉が使われているのか、分からないという人も多いです。そこで今回は「かませ犬」の意味や語源、「犬」を使った言葉を紹介していきます。
「かませ犬」とは?意味や語源を解説
かませ犬とは、闘犬に使われる用語で、若い闘犬に自信をつけさせるために、噛ませる犬を指します。かなり残酷でかわいそうな気もしますが、かませ犬として選ばれるのは老犬や戦闘に向かない品種、野良犬などが選ばれることがほとんどなんだとか。現在は、動物愛護の観点から闘犬自体が減っているのでかわいそうな犬たちは減っているとは言われていますが、まだ闘犬を行なっている地域はあるみたいですね。
スポーツでも自信をつけさせるために、格下の相手(かませ犬)と戦わせることがあります。また漫画でもキャラクターの強さを際立たせるために、弱いキャラクターが勝負を挑む場面も多いので、最近では「闘犬」としてというよりも言葉として使われることが多くなってきています。
かませ犬のボクシング映画「ロッキー」が面白い
ボクシング映画の「ロッキー」は、誰もが聞いたことがある映画だと思います。実は「ロッキー」かませ犬のボクサーが主人公の映画なんです。チャチャーチャー♪ という音楽を聞けば誰もが走り出したくなりますよね(笑)。
主人公・ロッキーを演じるスタローンもロッキーのような人生で、何者でもなかったスタローンが全てをロッキーに捧げ、「何者でもないものが何者かになる映画」として今でも多くの人の気持ちを掴んで離しません。ロッキーがどう「かませ犬」だったのか、簡単にストーリーをお伝えしておきましょう!
フィラデルフィアに住む、無名の三流ボクサーロッキーは、ボクシングの賞金だけでは暮らせず、金融業と取り立てを請け負いながら生活をしていました。元々はセンスのあるボクサーでしたが努力が嫌いで、所属ジムのトレーナーであるミッキーからも追い出される始末。
ヤクザまがいの生活を送っていたロッキーでしたが、ペットショップで働くエイドリアンに恋心を抱きます。内気なエイドリアンでしたが、毎日話しかけてくれるロッキーに心を開き、二人の距離は縮まっていきました。
その頃、アメリカ建国200年を記念し開催を予定していた、世界ヘビー級タイトルマッチで、世界チャンピオンのアポロ・クリードの対戦相手が試合に出られないことになります。そこでアポロは「無名の選手と戦うのはどうだ?」と打診。無名の選手と戦わせることにより、自分の優しさを強調し、知名度をあげようとしたのです。まさに「かませ犬」を使った試合で、絶対に自分が勝てるマッチを組みました。
そんな時に名前が上がったのが「イタリアの種馬」というニックネームを持つロッキー。アポロはロッキーを説得し、世界ヘビー級タイトルマッチに出場をさせるのです。
そしてロッキーはエイドリアンやミッキーの支えもあって、厳しいトレーニングに耐えました。試合前夜には「もし最終15ラウンドまでリングの上に立っていられたら、自分がただのゴロツキではないことが証明できる」と言い試合に臨むことに。
試合はアポロ優勢で進んでいきますが、隙をついてロッキーがダウンを奪います。アポロからは余裕が消え、試合は一進一退の攻防戦となります。
最終ラウンドを迎えると、ボロボロになりながら戦う二人の姿がありました。最後にロッキーのパンチが当たりアポロがふらつきますが、ゴングに救われて試合終了。
審判が判定を発表しようとしますが、ロッキーにとって、そんなことは関係ありませんでした。すぐにエイドリアンの元に駆け寄り、「愛している」と伝えます。
判定はロッキーが負けとなりますが、会場は「ロッキーコール」が鳴り止みません。まさに「かませ犬が噛んだ試合」でもあり、これまでのボクシング映画とは一線を解すような手に汗握る試合でした。
私自身もボクシングをしているので、いきなり日本タイトルマッチに呼ばれて、活躍できないかなぁと思ったりします。絶対にボコボコにされますが(笑)。
「犬」を使ったことわざを調べてみました
かませ犬には「犬」という言葉が使われています。そこで「犬」を使ったことわざを調べてみました。
犬も歩けば棒に当たる
犬のことわざで一番有名なのではないでしょうか?
・でしゃばると思わぬ災難にあう
・積極的に行動すれば思わぬ幸運が舞い込んでくる
同じ言葉でも全く異なる意味を持っています。私も積極的に行動して、成功しても天狗にならないように注意します。
犬も三日飼えば三年恩を忘れぬ
犬は三日も飼えば三年間も恩を忘れないということです。人も優しくされたり、助けてもらった恩は忘れないようにと作られたことわざです。
犬猿の仲
犬と猿の仲が悪いように、人間でも仲が悪い人同士を例える時に使われます。
犬も食わない
なんでも食べる犬でさえ食べないという意味で、「誰も取り合わない」「相手にしない」という意味もあります。「夫婦喧嘩は犬も食わない」と言いますが、まさに誰も相手にしてくれない事案ですね。
今回は「かませ犬」について解説をしました。ちょっとかわいそうな言葉ですが、「かませ犬」の役目が必要なケースも存在します。また個人的にはボクシングなどのスポーツにおいて「かませ犬」が噛み付く試合は盛り上がるので好きです。
私もこれからボクシングジムに行くので、ロッキーになった気持ちで練習に臨みたいと思います!!(笑)