二つ返事という言葉を聞いたことがありますか? 頼まれごとやお願いごとをされた際に、
「二つ返事で引き受ける」
なんて言い方を思いつく方も多いと思います。
しかし「二つ返事は目上の人に使える?」「一つ返事の方が正しいのでは?」などの意見もあり、使い方に困ってしまう人も少なくありません。
そこで今回は「二つ返事」と「一つ返事」の意味や語源について調べてみました。
「二つ返事」の意味
実際に調べてみたのですが、「二つ返事」には躊躇せずすぐに承諾するという意味があります。要するに「はい!引き受けます!」「はい!もちろんです!」というイメージです。
決して「はいはい、分かりました」「うーん、分かりました」など、しぶしぶ承諾した意味ではありません。一説には、親が子供に「返事は一回だけ」と注意することから、誤解が生まれたのだと言われています。
ただ現代では「二つ返事」の意味を理解している人は多くありません。目上の人には通じるかもしれませんが、若者にはあまり理解されていない可能性もあります。
実際に私も、二つ返事の意味を「は」「い」の二文字で形成されているからと言う意味不明な理解の仕方をしていました。言葉の意味って意外と深いんですね〜。
「二つ返事」の語源
他にも「二つ返事」には、「はい」を2回重ねて返事をする意味があります。
頼みごとをされた際に「はいはい」と、躊躇なく続けて言うほど快く返事を様を言い換えて「二つ返事」という言葉ができたのです。また二回返事をすることで、一回の返事よりも強調した受け答えになるという意味もあります。
実は、「一つ返事」は誤用です!
「二つ返事」という言葉を知っている人の中には「一つ返事」を聞いたことがある人もいるかと思います。
実は「一つ返事」は誤用であり、日本には存在しない言葉になります。「はい!」と快く引き受ける時に使えそうですが完全な間違いです。また「二つ返事」が間違っていると誤解をしてる人いて、「一つ返事」の方を使う人も多いようです。
実際に平成23年に文化庁から発表された「国語に関する世論調査」では、「二つ返事」を使う人が42.9%、「一つ返事」を使う人が46.4%という結果が出ています。存在しないはずの「一つ返事」が一般的なものとして使われているのです。
確かに学校で習った覚えもないですし、勘違いしてしまう気持ちも分かります。「二つ返事」を間違いだと思っている人が多いので、使い所に困ってしまいますね。
「二つ返事」はどんな場面で使う? ビジネスシーンもOK?
二つ返事はビジネスシーンや目上の人に使うことができます。いくつか例文を紹介していきますので参考にしてみてください。
・尊敬する上司からの頼みなので二つ返事で引き受けた
・A社の佐藤さんは難しい仕事でも二つ返事で引き受けてくれる
・上手く口車に乗せられてついつい二つ返事でOKしてしまった
・予定が合うか分からないので二つ返事できなかった
ビジネスシーンでも問題なく使える言葉なので、この機会にぜひ活用してみてください。
「二つ返事」の類語・対義語を紹介
それでは二つ返事の類語や対義語も解説をしていきましょう! 辞書で調べたものを一挙にご紹介します。
「二つ返事」の類語
快諾
依頼を快く承諾すること。
承諾
相手の意見・希望・要求などを聞いて、受け入れること。
応諾
人の頼みや申し込みをそのまま引き受けること。
即諾
その場ですぐに承諾すること。二つ返事で引き受けること。
「二つ返事」の対義語
生返事
いいかげんな受け答え。はっきりしない返事。
冷淡な
物事に熱心でないこと。関心や興味を示さないこと。
無愛想な
愛想のないこと。そっけなくつっけんどんなこと。
「二つ返事」を理解している人って意外と少ないですよね。私も怪しかったので勉強になりました。
皆さんも「一つ返事」の誤用には注意してくださいね。……はい!(二つ返事で返してみました)