みなさんは「体たらく(ていたらく)」という言葉を知っていますか?
なんとなく「だらしのない」というイメージが先行してしまいますが、詳しい意味を知らない人がほとんどだと思います。
今回は「体たらく」の意味や使い方についてご紹介します。
「体たらく」の意味は? 調べてみました!
体たらくは「外から見た様子やありさま」「好ましくない状態」を表す言葉として使われます。
てい たらく [3] 【体たらく・為▽ 体▽】
ようす。ありさま。現代では、好ましくない状態やほめられない状態についていう。引用元:weblio(体たらく)
本来は「ありさま」の意味が強く、「素晴らしい体たらくだ」というような使い方もありましたが、現在では「だらしがない」「好ましくない」という意味に例えられることが多くなっています。
確かに「素晴らしい体たらくだ」と言われても、どう反応していいのか分からないですよね? 後ほど「体たらく」の間違った使い方や、誤用についても解説しますので参考にしてみてください。
「体たらくな」の語源
次に「体たらく」の語源を解説していきます。
まず「体(てい)」に関してですが、様子という意味で使われていました。
「たらく」は助動詞の「たり」と、接続詞の「く」が付いた名詞になり「〜であること」という意味になります。
二つの言葉を合わせて「〜な様子」というように使われるようになったのです。なんとなくイメージ出来ますか??
「体たらく」の使い方は? 誤用に注意!
それでは「体たらく」の使い方と間違った使い方を紹介していきます。皆さんも間違った方を覚えてしまっているかもしれません。要チェックです。
正しい使い方
まずは正しい使い方の例から。
・自分の食生活が体たらくで健康診断に引っかかってしまった
・テスト勉強をしなかったばっかりにこの体たらくだ
・あの人は仕事をしなかったために、この体たらくになってしまった
上記のように、体たらく単体で使うのではなく、前後の文章で好ましくない状態を説明するのが正しい使い方です。
間違った使い方に注意
「体たらく」は好ましくない状態を表す意味があるため、間違った使い方をしてしまう人も少なくありません。
だらしがない人や好ましくない人に対して「体たらくな人間」と言うのは間違いです。「体たらく」自体に「だらしがない」という意味はないので、「だらしがない体たらく(ありさま)」「情けない体たらく(ありさま)」と言う使い方が正解です。
さらに「体たらくな」という表現も間違いで、「〜な」を使える品詞は形容動詞だけです。名詞である「体たらく」に「〜な」を使うことはできません。
よってタイトルにもある「体たらくな人間」は二つの誤用が隠されていたんです!! どこが間違えているかちゃんと理解出来ましたか?
また「仕事ぶり」と同じような活用をするのも間違いです。「〜ぶり」の意味は様子を表すものなので「体たらくぶり」を使ってしまうと、「様子の様子」というように重複する表現になってしまいます。
間違えないように注意しましょう。
「体たらく」の類語を紹介
体たらくにはいくつか類語があります。辞書で調べたものを引用してご紹介していきます。
様子
外から見てわかる物事のありさま。状況。状態。
ありさま
物事の状態。ありよう。
ざま
物事や人のありさま。ようす。状態。
失態
失敗して体面を失うこと。また、面目を損なうようなしくじり。
醜態
見苦しい態度・行動。恥ずべき状態。
「体たらく」は様子を表す意味を指しますが、好ましくない時にも用いられます。そのため、「失態」や「醜態」も類語として分類されるようです。
なるほど! 言葉の意味をちゃんと知れば、文章や会話も広がる
少し使い方が難しいですが、日常で使える言葉であることは間違いありません。
私も大学卒業から全く運動をしなくなってしまい、この体たらく(65kg→85kg)。自分の悲しい現実も伝えれる便利な言葉です。
皆さんも「体たらく」の意味を理解して、普段の生活やビジネスシーンで利用してみましょう!