「冷やし中華始めました」
この言葉を聞くと夏の始まりを感じて、ワクワクしますよね。酸味の効いた醤油だれと色とりどりの野菜が食欲を増進してくれます。
そんな冷やし中華ですが、七夕と同じ7月7日が始まりの日ってご存知でしたか? 今回はこの「冷やし中華の日」について紐解いていきたいと思います。
どうしてこの日になったの?
7月7日の「冷やし中華の日」は、中華の愛好家や料理人などによって、日本記念協会に登録されました。
7月7日は二十四節気の小暑にあたりやすく、冷やし中華も美味しく食べられる季節に入るという理由から制定。たしかに暑い季節は、冷やし中華が恋しくなりますもんね。
冷やし中華の起源は諸説あるようです
冷やし中華の起源は諸説あります。ちなみに冷やし中華は、中国料理と思われがちですが、れっきとした日本料理です。
最も有力なルーツは、1937年に宮城県仙台市の「龍亭」で提供が始まった「涼拌麺(リャンバンメン)」と言われています。当時の中華料理店は冷房もついておらず、夏場は店内に熱がこもり、客足が遠のいていました。
創業者の四倉義雄氏は夏場の売り上げを安定させるために、仙台の中華料理組合の仲間たちと「涼拌麺」を開発。水で締めた麺にゆでキャベツや塩もみきゅうり、ニンジン、トマトなどをトッピングし、醤油と酢で作った特製ダレをかけたのが始まりです。
暑い夏でもさっぱりと食べられることから、仙台市内でも人気のメニューに。現在でも冷やし中華発祥の地として、1年中冷やし中華が食べられる街になっています。
もうひとつ有力な起源が1933年、東京・神保町の揚子江菜館で提供された「五色涼拌麺」という説です。細切りした具材を富士山のように盛り付ける調理法は、現在食べられている冷やし中華の原型とも言われています。
ちなみに、コンビニはいつ頃から発売されるの?
コンビニでは、冷やし中華だけでなく様々な麺類を購入することが可能です。
冷やし中華の販売時期は、思っているより早くて、4月の初旬には店舗に並んでいることが多いようです。
競争が激しいコンビニ業界では、常に季節を先取りをしておかなければならず、同じく季節商品としてもメジャーな「おでん」も夏の終わりから発売している! なんてことがあります。「まだ暑いのにおでん?」と、驚いた経験のある方もいるのではないでしょうか?
入れ替わりが激しいコンビニ業界ならではの戦略なのかもしれませんね!
お酢? ごまダレ?いろんな味の冷やし中華をご紹介
「冷やし中華」と聞いてどんな味を想像しますか?
酢醤油派やゴマだれ派など、人によって冷やし中華のイメージも異なります。
最もメジャーと言われているのが酢醤油の冷やし中華です。さっぱりしていて夏の訪れを感じることができますよね。
ゴマだれ派に関しては、京都や沖縄、四国の一部などでは定番になっているようです。京都では1939年、中華のサカイがゴマだれを使用した「冷麺」を提供しており、ゴマだれの文化が独自に発展したと言われています。
最近ではスーパーの冷やし中華コーナーで、レモン風味やポン酢などの冷やし中華も見かけるようになりました。いろんな味を試してみて、自分好みの冷やし中華を見つけてみてください。
全日本冷し中華愛好会もあったとか??
実は、1975年に山下洋輔さん、筒井康隆さん、そしてあの有名になる前のタモリさん! などによって全日本冷し中華愛好会が設立されたそうなのです。ジャズピアニストである山下さんが「冬に冷やし中華が食べられないのはどうなの!?」と憤りを感じ、結成することになったそうですが、今思うとすごい結成秘話ですよね(笑)。
1977年には「冷やし中華祭り」を開催し、その後「空飛ぶ冷し中華」というタイトルの書籍も出版も果たします。現在は解散し、活動は休止されたようですが、再び復活する日が近いかもしれませんね!
でもやっぱり「夏限定」感がいい
年中食べられるようになった冷やし中華ですが、夏限定のメニューだとテンションが上がりますよね。あえて「冷やし中華始めました」と書いてあるお店に行くのもありです。
皆さんも夏の始まりを感じながら、冷やし中華を楽しんじゃいましょう!