鮫、花、カードケース…使ったのは和室に欠かせないあの素材　古い伝統が作り出す新しい挑戦「TATAMI-BERI FACTORY SHOP FLAT」

カラフルで、見ているだけで心躍る小物たち。ポップな色や柄がならびますが、どこか和を感じさせる雰囲気もあります。

これらのグッズは、ある意外な素材から作られたものなのですが…答えは、畳の縁の部分に縫いつけてある布。そう、日本にいたら誰しも一度や二度目にしたことがある、あの畳縁（たたみべり）でできているのです。

「FLAT（全称：TATAMI-BERI FACTORY SHOP FLAT）」は、畳縁の専門メーカーによるファクトリーショップ。
今回は畳縁や「FLAT」で販売されるグッズをご紹介。これまで畳縁を意識していなかった人でも、きっとその奥深さに驚くはずです。

それではさっそく見てまいりましょう！

そもそも畳縁って何のためにあるの？

「畳縁」と言われてピンと来る人、果たしてどれくらいいるでしょうか。

畳は、芯となる畳床に、い草で織られた畳表を貼りつけた構造になっています。
そして、畳の長辺に布を縫いつけた、いわゆる「へり」の部分を指すのが畳縁。

この畳縁を付けることにより、畳表の切り落とした部分の保護や、畳を摩耗させない、敷き合わせた畳のすき間を引き締め、ごみやホコリを溜まりにくくする効果がありまます。

そして、これらの実用的な役目以外にも、空間に彩りを与えたり、お部屋の雰囲気や気分を変えるのも大きな役割。その人の好みで自由に選び、それぞれの個性を表現することが可能になります。

「FLAT」を開設したのは、伝統を大切にする畳縁メーカー

「FLAT」を運営しているのは、創業明治25（1892）年の老舗・髙田織物株式会社。繊維の街である岡山県倉敷市児島で、畳縁を作り続ける畳縁専門のメーカーです。

時代が移り変わる中、畳縁の素材が綿から化学繊維に、織機も最先端へと変わった。そんな中でも織りへのこだわりや伝統は守りつつ、同社は畳縁の新しい可能性を求めているのです。

日本で暮らす私たちにとって畳は、もはやあって当たり前の存在。しかし、畳に慣れ親しんだ私たちでも、これまで畳縁に注目することはありませんでした。
そんな畳縁にスポットをあてたのが「FLAT」です。

ここでは、髙田織物株式会社が手掛ける畳縁の特徴と、さまざまな活かし方をご紹介します。

昔から畳縁のグッズがあった？心を豊かに彩る小物たち

「FLAT」では畳縁から作られた、さまざまなデザインの小物が販売されています。畳縁とおしゃれな小物なんて、なかなか結びつきませんよね。しかしこの児島の地では、軽く強い畳縁の性質に着目し、古くから畳縁を用いて小物作りをしていたのだそう。

地元の人の知恵と畳縁の素材を活かし、新たな商品として展開された商品の数々。ポーチをはじめ、カードケースやコインケース、ヘアアクセサリーなど…使う人の目を楽しませ、心を豊かにしてくれるものばかりです。

畳縁は畳の一部分としてだけではなく、充分主役になれる素材なのかも知れません。

そして、意表をつかれたのがこの畳縁鮫シリーズ。なんてユーモラスで表情豊かなんでしょう！
畳縁からおしゃれな鮫さんが生まれたなんて、ちょっと想像がつきませんね。
こんなにかわいいコなら、思わずどこへでも連れて行きたくなりそうです。

バラエティに富んだ色や柄がクラフト心をくすぐる

従来は黒か茶色など、限られた色しかなかった畳縁ですが、現在は豊富な色・柄が揃います。和風やモダン、現代的でポップなものまで多岐にわたり…その数なんと1000種類以上とのこと。

これならお部屋の雰囲気に合う、本当に気に入った畳縁が手に入れられそうですね。

このように個性あふれるラインナップを持つ畳縁ですが、クラフトの材料として注目されているのをご存じでしょうか。バラエティに富んだ色や柄に加え、軽くて強い素材感がクラフト好きさんの心をくすぐったようです。

両端の部分の糸の始末が必要ないので、ハードルが比較的低く感じられるのも人気の理由かも知れません。

「FLAT」のECショップでは、オリジナルの小物作りのためのレシピが公開されているほか、キットの販売も行っているので、ぜひ、おこもり時間に挑戦してみてはいかがでしょうか。

常に新しいものを生み出す姿勢で畳縁の魅力を伝える。なんとあの作品の商品も！

「FLAT」では有名キャラクターのライセンス商品など、新たなものに着目した商品の展開も行っています。ラインナップは、「ハローキティ」をはじめ、最近ではあの「鬼滅の刃」なども！ファンの人ならずとも、目が離せませんね。

これまで培ってきた伝統や技術を活かし、常に新しいものを取り入れること──こうして畳縁の新たな魅力や可能性を、私たちに伝えているのです。