みなさん、こんにちは。半分台湾人のSeikyoです。
今回みなさんにご紹介するのは、台湾の各地に存在する「土」をモチーフにしたクッキーセットです。今話題のデザインプロジェクトを、早速みていきましょう!
多種多様な「土」が存在する台湾
世界中に存在する土はたったの12種類に分類できると言われており、台湾にはなんと、そのうちの永久凍土を除いた11種類もの土が存在しています。島全体がまるで「土の博物館」となっていて、ある場所では赤い土が多いのに対して、山を越えると黒い土が多かったりと、地域によって土の姿が微妙に異なり、多様性に満ちています。
身近なスイーツを用いて表現
デザイン系大学の卒業制作として始まったこのプロジェクトですが、台湾の土の多様性を身近な食べ物を通してクリエイティブに表現してみたいという思いから、そのアウトプットとして大人から子供まで誰でも楽しんで食べられる「クッキー」にたどり着き、実験が始まりました。
そもそも土を表現する媒体に「クッキー」を選定した理由について、クッキーと土のビジュアルの相性に近しいものがあったというのと、土表面の細かな亀裂や模様、そしてその中に含まれる小さな石なども、クッキーの材料やベーキングする際の作法を細かく変えてみたりすることで、最も土本来の姿に近づけられることができることだと、プロジェクトのメンバーは語っています。
ケーキやチョコレートなどその他のスイーツも検討されましたが、常温で保存できることと誰でも気軽に食べられる点を考慮して、最終的にクッキーが選ばれたのです。
土本来の姿を再現するべく、クッキーの生地に色をつけるための自然由来の材料を配合したり、焼き加減を細かく調整するなど試行錯誤を繰り返して、台湾の9つのエリアの土を表した、合計18種類のクッキーを作るのに成功しました。味はココア味、ごま味など、どれも大人から子供まで食べやすいものにアレンジされています。
また、どうしても「土」を食べているという感覚になってしまわないように、土を表現しつつも、クッキーを味わっているというおいしさのほうに舌を向けられるように、見た目を何度も調整しながら丁寧に焼き上げています。
まるで小さな博物館のようなパッケージデザイン
クッキー本体だけでなく、パッケージのデザインにも様々な工夫がこなされています。
箱を開けたときにまず見えるのが、丸く切り抜かれた18個の穴から見える色々な模様をしたクッキー。まるで土の図鑑を見ているかのようで、台湾の地図と照らし合わせながら、どのエリアにどの土が多く分布しているのか、全体像を俯瞰することができます。まさにこのプロジェクトの最大の目的でもある、台湾の土について気軽に知るためのアイデアが詰め込まれています。
また付属の小さな色見本は、マンセル土壌色チャート(Munsell Washable Soil Color Charts)をインスピレーションに作成され、クッキーを食べながら土本来の姿を一枚ずつめくりながら確認することができます。
おやつを食べながら、その土地について理解を深める
人類が土への理解を深め始めたのは、食料生産への需要が高まったからだと言われています。土と食物の関係性を探る中で、このクッキーは台湾の土壌を象徴するものとして、人々の住む土地の土壌特性について理解を深められるきっかけを作り出したのです。
またクッキーひとつにしても、これだけの表現の幅があることに私自身も驚かされました。見た目からどのような味が口の中に広がるのかワクワクしながら食べられるのも、楽しさの一つなのかもしれませんね。
では、次回もお楽しみに!
商品情報
| 壤壤上口 Catchy Crust
デザイナー 張 雅茜、王 靖蓉(台湾科技大学デザイン学科)
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プロモーションムービー https://www.youtube.com/watch?v=fmWYgGTUqqw