みなさん、こんにちは。半分台湾人のSeikyoです。
今回は台湾鉄道の駅弁文化とリブランディングされた事例について、ご紹介したいと思います。
早速みていきましょう。
日本と同じく駅弁文化がある台湾
台湾の駅弁の起源は、日本統治時代まで遡ることができます。戦前のインフラ建設の一環として、台湾の南北を縦断する鉄道網が敷かれ、それと同時に日本の駅弁文化も伝えられたとされています。
お弁当という文化を取り入れながら台湾料理の要素などが加わり、独自の発展を遂げたものが現在の台湾駅弁の姿になっています。車内販売はもちろんのこと、今でも特定の地方の駅では、ホームで駅弁販売員を見かけることができます。
弁当のことを中国語では一般的に「飯盒(ご飯が入った箱のこと)」と呼びますが、台湾では日本語の「弁当」に由来して「便當(ビエンダン)」と呼ぶことが多く、お弁当文化がいかに根付いているかが伺えます。
リブランディングされた「台鉄弁当」
実に70年以上の歴史を持つ台湾の駅弁ですが、2020年の秋に「台鉄弁当」のロゴマークがリニューアルデザインされました。八角形の形をした弁当箱をモチーフに、ブランドカラーの青は継承しつつ、シンプルでボールドな書体のロゴマークに仕上がっています。
注目するべきなのが、台鉄弁当の英語名である「TR Bento」。TR=Taiwan Railwayはわかるが、何と日本語の「弁当」という単語がローマ字表記でそのまま起用されていて、なんとも親しみを感じます。
台鉄弁当は台湾の各主要駅に駅弁の販売拠点があり、電車に乗る前に購入して旅の途中で弁当を食べたり、乗車後に買って帰ったりと、「台湾鉄道」がプロデュースしたオリジナルの駅弁を気軽に味わうことができます。
新竹駅にオープンしたコンセプトショップ
ブランドが一新されたのち、2020年10月1日にいち早く台湾北部の都市「新竹」の中心地にある新竹駅構内に、台湾駅弁のコンセプトショップが誕生したのです。
お店の外壁は、かつて台北と高雄間を運行していた特急列車「光華号」の車体をモチーフに、ステンレス鋼を取り入れたクールで近未来的なデザインとなっています。オープン記念の10日間ほど、期間限定の駅弁も販売され、SNS上で話題となりました。
おかずのバリエーションが豊かなお弁当たち
そんな台湾駅弁の魅力の一つが、どこにいても必ず温かい状態で提供されることです。
台湾では冷めた料理を食べる習慣があまりないため、会社や学校に持参したお弁当も常に温かくして食べることがほとんどです。
もう一つの魅力が、おかずのバリエーションがとても豊富なことです。お肉やお魚がメインとしてありつつも、必ず副菜に野菜炒めなどの豊富なおかずが詰め込まれているので、野菜不足の心配も入りません。最近ではベジタリアンに配慮した、お野菜中心のヘルシーなお弁当も登場しています。
味付けは醤油やだしなど日本人にも馴染みのあるものが多く、台湾でしか食べられない食材を使った料理がお弁当一つに詰め込まれているので、一気に台湾グルメを満喫した気分になれます。
この3つの駅弁は、2020年に台北駅で開催された「第6回鉄路弁当節」というイベントで、期間限定で販売されたものです。
そんな魅力いっぱいの台鉄駅弁。旅先で温かい駅弁を食べて、心もきっと暖かくなれるはずです。
では、次回もお楽しみに!