みなさん、こんにちは。半分台湾人のSeikyoです。
今回ご紹介するのは、台南に残る日本の古民家がアート空間にリノベーションされた事例です。
早速見てみましょう!
戦前から残る、旧日本軍歩兵の官舎群
台湾南部の都市―台南市の北区に位置する「321巷芸術聚落」は、戦前はもともと旧日本軍歩兵第二連隊の官舎群であった日本式の古民家を、アート空間として再生させた場所です。2003年には「市指定古跡」として登録され、芸術空間として機能し始めたのは2013年のことです。
この一帯は日本統治時代には「老松町」と呼ばれていて、戦後は一時期近くにある国立成功大学の教授たちの寮としても使われていました。台湾では道路に名前が付けられているので、「321」と名付けられているのは、現在の「台南市北区公園路321巷」の先にこの団地が存在しているからです。
あちらこちらで見かける「アート」
普段から多くの車が行き交う「公園路」から、小さな路地に入って団地に入るとまず目に映るのが、至る所に置かれているオブジェやアート作品でしょう。
それぞれの民家が高い煉瓦塀で覆われていて、その塀がまるで展示空間のように様々なアート作品で飾られています。
また、不定期にクリエイティブな雑貨マルシェや展示イベントなども開催されており、この昭和レトロな空間の中で、存分にアートな気分を楽しめる人気スポットとなっています。
アートだけでなく、自然も豊かな空間
アート作品の他にも、古民家のお庭には80年ほど前に植えられた木々が大きく育ち、暑い日差しがさす季節でも路地が日陰になっていて、大自然を肌で感じられる涼しげな空間になっています。この緑に包まれたのどかな時間は、都会の喧騒から離れ、まるで昭和にタイムスリップしたような不思議な気分を味わえます。
現在は大規模なリニューアル工事中
2020年7月1日より、このアートスペースは現在大規模なリニューアル工事中で、園内の立ち入りが禁じられており、工事期間はなんと3年を要するそうです。私が前回訪れたときは所々で建物が傷んでいたりしていたので、新しく整備された後の姿がとても楽しみです。
まだまだ日本時代の建物が多く残っている台南ですが、最近では修復工事が各地で進められていて、こうした歴史を後世に伝えていく証として残していきつつ、空間全体に新しい価値を創造する取り組みを、もっと応援していきたいと思います。
では、次回もお楽しみに!
施設情報
台南「321巷芸術聚落」
住所 台湾台南市北区公園路321巷
Facebook https://www.facebook.com/321ArtsVillage