1969年に「アポロ計画」で人類初の月面着陸が達成されてから50年以上。現代では、「アルテミス計画」として、再び月面に人類を送り、将来の月での人類の持続的な活動をめざし、ゲートウェイ(月周回ステーション)の組み立てや、月に物資を運んで月面拠点を建設する計画が進められています。
「月でくらす」なんてSFの世界のような話が実現したとき、わたしたちは、月で何を食べて、どんな家に住むのでしょう?
そんな月でのくらしを疑似体験する展覧会「NEO 月でくらす展 ~宇宙開発は、月面移住の新時代へ!~」が、東京都の日本科学未来館で開催されています。親子で楽しみたいこちらの展覧会で、未来の「月でのくらし」を覗いてみましょう。
会場入り口では、まず、月の開拓者としての3つの役割からひとつを選びます。地球との違いを発見して伝える 「月面レポーター」、月面活動をリードする「月面ワーカー」、月と宇宙のなぞを解明する「月面科学者」。同じ生活でも、役割が変わると注目するポイントが変わってきますよね。それぞれの役割に応じた「ミッションバッジ(シール)」と「ミッションシート」を受け取って、いざ月へ向かいましょう。
それぞれのミッションを持って...いざ月へ出発!
会場入り口では、まず、月の開拓者としての3つの役割からひとつを選びます。地球との違いを発見して伝える 「月面レポーター」、月面活動をリードする「月面ワーカー」、月と宇宙のなぞを解明する「月面科学者」。同じ生活でも、役割が変わると注目するポイントが変わってきますよね。それぞれの役割に応じた「ミッションバッジ(シール)」と「ミッションシート」を受け取って、いざ月へ向かいましょう。
空港のような搭乗口を経て、地球から月へ——。舞台は2040年の月面です。会場は、月面基地内外における月でのくらしがわかる「月面基地ゾーン」と「月面ゾーン」の2つのゾーンに分かれています。
まず、最初に到着するのが「月面基地ゾーン」。ここには、月面にある「管制室エリア」や「ラボエリア」、それに、生活の基盤となるお店や飲食店などがあります。
中には月の「コンビニ」も。コンビニの中には、宇宙食や、月でくらすための日用雑貨たち。例えば「昼夜の温度差が200℃以上ある月面で快適にすごせる衣類」や「水が貴重な宇宙でも使いやすいハミガキ」、「無重力空間で日用品を壁に貼り付けておくためのシート」など、地球とは全く違った月の環境ならではの困りごとを解決するアイテムがたくさん。
実際に国際宇宙ステーション(ISS)の中で使用されているものや、企業で開発・構想されているものもあり、月での生活はどんな環境なのか、地球との生活の違いに想像が膨らみます。(こちらでの商品の購入はできませんが、一部商品はショップエリアでの購入も可能です。)
月での食べ物は?住むところは? 「月面基地ゾーン」で月でくらす工夫を体験!
「月面基地ゾーン」では、月面基地での衣食住から、月でくらすための仕事までを体験できます。
例えば、月でくらすことになったら、どんなごはんを食べられるのでしょうか?「月面食堂」では、未来の月面基地内の食堂をイメージし、月で栽培される予定の食材8種類(レタス、トマト、きゅうり、いちご、米、大豆、じゃがいも、さつまいも)の食品サンプルや、その調理過程、1週間の献立のイメージなどを見られます。
月では、水や肥料といった作物を育てるのに必要なものが不足する中、人の排泄物や生ゴミも再利用しながら、野菜や穀物を栽培する工夫を知ることができます。また、キッチンに立って「月の料理人」気分を楽しむことも。将来は、月でも地球と変わらないようなメニューが食べられるかもしれないなんて、ちょっと驚きですよね。
「ラボエリア」では、月に着陸する方法や、月で資源を確保する方法、月で建物をつくるための方法などを学べます。地球から月まで荷物を運ぶのは大変なこと。月の石や砂からどうやって水や資源を確保するのか、また、できるだけ少ないスペースで効率よく建築資材を運ぶにはどうしたら良いのかといった課題に対して、現在検討されている試みや、進んでいる研究がわかりやすく紹介されていました。
無重力状態の体験も!「月面ゾーン」で開拓者のミッションをクリアしよう
つづいて、月面基地を出て「月面ゾーン」へ。
こちらでまず目に入るのは、日本の民間宇宙探査チームHAKUTO(ハクト)の、ランダー(月面着陸装置)、ローバー(探査車)の実寸大模型。昨年末に打ち上げられ、月着陸のチャレンジで注目されましたね。今回、月面着陸の完了までは達成されませんでしたが、2024年、2025年にも続くミッションが計画されていて、月でくらす未来への過程が着実に積み重ねられていることが感じられます。
こちらでは、月の砂「レゴリス」におおわれた月面が再現され、月からのぞむ美しい地球のすがたも楽しめるんです。
さらに、「月面ゾーン」では、スコップを使って月の砂「レゴリス」に模した砂から水資源を回収する《水資源探査ミッション》や、変形型月面ロボット(愛称:SORA-Q(ソラキュー))のオモチャを使って月面探査機を撮影する《月面探査機撮影ミッション》など、複数のミッションへのチャレンジも。
また、地球の約6分の1の月面の重力を体験できる《月面重力体験ミッション》なんていう体験もありました。ハーネス付きの、宇宙服のような専用の衣装を着て高くジャンプすると、本当に月に来た気分を体験できそうですね。(年齢制限:小学生以上、65歳未満、身長制限120cm以上、体重制限:22kg以上、60kg未満。料金は別料金(500円)。)
「月でくらす」なんて、まだまだ夢のような話に感じられますが、あと20年もしないうちにくらせる可能性を、様々な視点から知って、体験できる展覧会です。地球でのくらしと同じ部分と違う部分を探しながら、20年後の月でのくらしを想像してみませんか?
展覧会情報
NEO 月でくらす展 ~宇宙開発は、月面移住の新時代へ!~
本展公式サイト https://tsukidekurasu.com/
会期 2023年4月28日(金)~9月3日(日)
休館日 火曜日(ただし、5/2、7/25~8/29の火曜日は開館)
時間 平日10:00~15:00(ただし、4/28~5/2、7/19~9/1は17:00まで)、土日祝10:00~17:00 ※入場は閉場時間の30分前まで
会場 日本科学未来館(東京都江東区青海2-3-6) 1階 企画展示ゾーン