デザインと職人技のコラボレーション!「NEON TOKYO from 大ネオン展」で出会う 魅惑のネオンアートの世界

ぷらいまり
ぷらいまり
2021.12.17

みなさん、「ネオンサイン」ってどんなイメージがありますか?

ビビッドな色で明るくて、”夜の街”みたいな少し妖しげなイメージもあったりするネオンサイン。でも、灯りがどんどんLEDに置き換えられつつあるなか、実際に目にする機会はあまりないかもしれません。

今、そんなネオンを使ったユニークな展示が開催されています。この記事では、東京タワーで開催中の「NEON TOKYO from 大ネオン展」をご紹介します。

ノスタルジックで、幻想的な光・・・ 魅惑のネオンアートの世界

会場は東京タワーのフットタウン3FにあるTOWER GALLERY。まずはその作品の数々を見ていきましょう!

「大ネオン展公式アンバサダー」のサイバーおかんさんにご案内いただきました。背中の「セオイネオン」も本物のネオンで作られています。 photo by ぷらいまり
「大ネオン展公式アンバサダー」のサイバーおかんさんにご案内いただきました。背中の「セオイネオン」も本物のネオンで作られています。(写真撮影:ぷらいまり)

入り口で出迎えてくれるのは、仲條正義さんによってデザインされた「『東京タワーで、あいましょう。』計画」のロゴマーク。白一色とシンプルですが、ネオンの灯りそのものの色 (アルゴンガスによる光) を楽しむことができます。

デザイン:仲條正義 photo by ぷらいまり
デザイン:仲條正義(写真撮影:ぷらいまり)

こちらは、イラストレーター・はらわたちゅん子さんの作品。「霓虹燈」はネオンサインを表す中華圏の言葉なのだそう。カラフルでかわいくて、どこか妖艶な雰囲気は、ネオンサインらしいイメージかもしれません。

デザイン:はらわたちゅん子 photo by ぷらいまり
デザイン:はらわたちゅん子(写真撮影:ぷらいまり)

アーティスト・SHETAさんの作品は、「平面的」なイメージのネオンサインのイメージを一転。まるで3次元空間に光で絵を描くように、カラフルなネオンの曲線が、空間を縦横無尽に巡ります。

デザイン:SHETA photo by ぷらいまり
デザイン:SHETA(写真撮影:ぷらいまり)

会場の中でも特に目を引くのは、現代美術家・赤塚りえ子さんの作品。父親である赤塚不二夫さんの漫画に登場する”チビ太のおでん”をモチーフにした回転する巨大な立体作品は、大迫力です!

デザイン:赤塚りえ子 サイバーおかんさんと一緒に。 photo by ぷらいまり
デザイン:赤塚りえ子 サイバーおかんさんと一緒に。(写真撮影:ぷらいまり)

「ネオン」の灯りは、ガラス管にネオンなどのガスを封入して電圧をかけ、管内のガスの分子と電子が衝突することで生まれる光。今までネオン管を近くでじっくり見たことはなかったのですが、ガラス管の空洞の中にふわりと光が浮かび上がり、時にゆらゆらと揺らいで見える様子は幻想的です。

まさに神業!職人さんによる一点ものの作品たち

ネオンは「ガラス管に電圧をかけて光らせる」という仕組みのため、ひとつの長い管を「一筆書き」のようにして絵が作られています。遠くから見ると、小さなライトを組み合わせてつくられているように見える文字なども、実は立体的な「一筆書き」で表現されており、その細かさに驚きます。

「響」という文字。管が本当に細かく曲げられています。 photo by ぷらいまり
「響」という文字。管が本当に細かく曲げられています。(写真撮影:ぷらいまり)

こんなに複雑なものを、一体どうやって作っているの?!と、この展覧会のネオンを制作されている「アオイネオン」の事業企画部 部長、荻野さんに教えていただきました。

今回は、様々なアーティストやデザイナーさんたちが2次元でデザインを制作し、それをネオン職人さんたちがかたちにしていくというコラボレーションで制作されているそうです。職人さん達は、こうした二次元のデザインを、なんと頭の中で三次元に変換し、設計図を作ることなく加工していくのだとか!

また、管を「一筆書き」にするだけでなく、管の太さや電極の位置なども考慮するなど、様々な制約の中でデザインを形にしていくのだそうです。

photo by ぷらいまり
(写真撮影:ぷらいまり)

今、ネオンを加工できる職人さんは全国でも50人程度。そして、ネオンが作れるようになるまで、5-10年の訓練が必要だといいます。

中空の管をバーナーであぶって、根気よく少しずつ曲げながら、繊細にデザインを再現していく。本当に一部の人にしかつくることのできない、まさに神業の世界を体感できます。

ネオンをアートやファッションへ展開 アオイネオンの挑戦

独特な魅力を持つ「ネオン」をアートに展開する会社「アオイネオン」。ネオンアートという新しいジャンルへの挑戦以外にもネオンを使ったユニークな取り組みを行っています。

例えば、「ネオン・ジュエリー」は、ネオンを作る過程で生じる端材を使ったアクセサリー。色つきのためにリサイクルが難しいネオン用のガラスを、ネオン職人の中でも指折りの「ネオンマイスター」が、ジュエリーパーツとしてよみがえらせています。

ネオン・ジュエリー 画像引用:https://aoineon.amebaownd.com/pages/2916105/static
ネオン・ジュエリー 画像引用:https://aoineon.amebaownd.com/pages/2916105/static

また、「ネオン・ファニチャー」は、ネオンと家具を融合。おうちの中にさりげなくオシャレにネオンサインを取り入れられますね、

大きな「ネオンサイン」だけでなく、「table neon art」として、ネオンの温かい光を魅力的なテーブルアートとして気軽に暮らし取り入れられるものも。デザイン性輝くおしゃれなテーブルランプは、オーダーメイドでネオンマイスターが一つひとつ丁寧に作ってくださるそうです。

table neon art 画像引用:https://aoineon.amebaownd.com/pages/2916105/static
table neon art 画像引用:https://aoineon.amebaownd.com/pages/2916105/static

こうしたユニークな製品たちの一部は、展覧会の会期中、東京タワーのフットタウン2Fで購入することも可能です。

「アオイネオン」twitterより
「アオイネオン」twitterより

LEDにおきかえられつつあるネオンサインですが、そのネオンをさまざまなプロダクトへ展開し、ネオンの可能性が広げられています。「NEON TOKYO from 大ネオン展」へ、魅惑的な光と職人技に出会いに行ってみませんか?

展覧会情報

NEON TOKYO from 大ネオン展

公式サイト https://gallery.tokyotower.co.jp/

会期    2021.12.1(Wed) – 2022.1.6(Thu)
会場    TOWER GALLERY(東京タワー フットタウン 3 階)
開場時間  11:00 – 22:00
入場料金  無料
製作・企画 アオイネオン株式会社、株式会社東京システック

ぷらいまり
WRITER PROFILE

ぷらいまり

都内でサラリーマンしながら現代アートを学び、美術館・芸術祭のボランティアガイドや、レポート執筆などをしています。年間250以上の各地の展覧会を巡り、オススメしたい展覧会・アート情報を発信。 https://note.com/plastic_girl

Twitter:@plastic_candy

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