おうち時間が長くなったこの頃、みなさんはおうちで何をしていますか?のんびり読書というのも楽しい時間の一つですよね。書籍のデザインももちろん書籍の楽しみのひとつ。そんななか、とてもおしゃれな表紙の書籍を発見… あれ、でもなんだかちょっと違和感?
この記事では、レトロモダンな装丁デザインを楽しむ「書籍風ドレッサーポーチ」をご紹介します。
本を開いてお化粧直し? 書籍型の鏡&ポーチのセット
右手に、レトロモダンな装丁の可愛らしい書籍。左手にはリップ…?ちょっと不思議な光景ですが、実はこちら、鏡付きのポーチなんです。
中を開くと、片面にはポーチ、もう片面にはアクリルミラー。内側の飴色のカラーは、時代を経た紙の色から連想したこだわりの見た目に加え、汚れが目立ちづらいという機能性も。
ファスナーの引手部分にはしおりをイメージしたリボン飾りもついているなど、細かいところまで書籍らしさが詰まっています。
日本で最初のグラフィックデザイナー・杉浦非水のデザインを再現
それにしても表紙のデザインがとても印象的ですが、この書籍デザイン、実在する書籍がもとになっているんです。それが、こちらの〈あゝ故郷〉〈婦人衛生編〉という、1920年代に発刊された2冊の書籍。
大正から昭和にわたる時代にこのデザインを手がけたのは、日本で最初のグラフィックデザイナーとして活躍したモダンデザインの先駆者・杉浦非水(すぎうら・ひすい)。昭和9年(1934)8月末に退社するまで、
27年にもわたって三越に在籍。図案部の初代主任を務め、「三越の非水か、非水の三越か」とも言われたそうです。この非水の一連の仕事は、近代日本における“ブランディング”の最初の成功例とも言われています。
またその活動は、三越の宣伝だけでなく、雑誌の表紙、書籍の装幀、商品パッケージデザインなどにもおよび、さらには作品制作にとどまらず、デザインの研究団体の結成、展覧会や雑誌の刊行、多摩帝国美術学校の創立に参画するなど、多岐にわたるそう。
当時、「ブックデザイン=画家が片手間にするもの」という見方が主流だったという中、非水は芸術性を保持しながら、クライアントの要求を汲んで、内容(本文)に添った図案を作るべきだと説いていたといいます。
ポーチはこのデザインを忠実に再現。
本のように立てて並べると、インテリアとしても楽しめますね。デザインされて約100年たった現代でも色あせることのない魅力的なデザインですね。
「杉浦非水展」とコラボレーションしたグッズたち
この「杉浦非水の装丁を楽しむ書籍風ドレッサーポーチ」、「杉浦非水 時代をひらくデザイン」展という展覧会にあわせてつくられたものなんです。
「杉浦非水 時代をひらくデザイン」展は、非水の学生時代の作品から晩年のデザインまで、ポスターや図案集から、スケッチ、写真まで、初公開を含む約300件が展示される展覧会。杉浦非水の初の全国を巡回する展覧会で、島根、東京、三重、福岡を1年かけて巡回します。
グッズ製作を手がけたのは、ミュージアムを楽しむためのヒントを紹介したり、思い出にのこるミュージアムグッズを制作するフェリシモミュージアム部。過去に「ナンスカ」で紹介させていただいた「額縁柄のきせかえポストカード袋セット」や「美術館に行くときに活躍するバッグセット」など、ミュージアム好きが思わずときめいてしまうグッズが多数販売されています。
この書籍風ドレッサーポーチのほかにも、非水が発表を続けた『図案集』の中から選んだ図案をプリントした「スカーフエコバッグ」や、非水による本の装丁デザインをジェルネイル風シールにリデザインした「ジェル風ネイルシール」なども展開。スカーフエコバッグは、展覧会の会場限定デザインも発売されるそうです。
遊び心があって、もとの作品の魅力も忠実に再現したグッズたち。展覧会を楽しんでからその雰囲気を持ち帰るのも、webで購入してグッズを楽みながら展覧会に思いを馳せるのも楽しそうですね。
商品情報
杉浦非水の装丁を楽しむ 書籍風ドレッサーポーチ〈婦人衛生編〉
商品販売ページ https://www.felissimo.co.jp/kraso/gcd794579/
杉浦非水の装丁を楽しむ 書籍風ドレッサーポーチ〈あゝ故郷〉
商品販売ページ https://www.felissimo.co.jp/kraso/gcd794515/