東京スカイツリーを背に、浅草の住宅街の中に現れるスタイリッシュな建物。こちらは、築54年の倉庫ビルを再生したホテルでありつつ「コンテンポラリーアートの新しい拠点」でもあるといいます。その特徴とは?
この記事では、昨年オープンしたユニークなホテル「 KAIKA 東京 by THE SHARE HOTELS」をご紹介します。
ギャラリーのバックヤード・「収蔵庫」に潜入する特別な体験
こちらのホテルの扉を開けると目に飛び込むのは、インパクトのある金網のフェンスと、その中に並ぶアート作品たち。
他のホテルにはないこのホテルの特徴は、ホテルとアートギャラリーの「収蔵庫」を融合させたこと。1階と地下1階の共用部のフェンスで区切られた計8区画のスペースが、アートギャラリーの「見せる収蔵庫」として利用されています。
1階のアートストレージは宿泊者以外も自由に観覧が可能ですが、地下の収蔵庫は宿泊者のみが立ち入れる空間。作品の運搬用の木箱を台座に作品が展示されていたり、一見コンテナのようにも見える箱も作品だったり。ギャラリーで作品を見るのとは少し違う、通常は見ることができないギャラリーのバックヤードを覗き見ることができるような特別な体験です。
ここに「見せる収蔵庫」を置くのは現代アートを扱う個性的な6つのギャラリー。(CLEAR GALLERY TOKYO(六本木)、KOSAKU KANECHIKA(天王洲)、NANZUKA(渋谷)、VOILLD(中目黒)、Yoshimi Arts(大阪・肥後橋)、YUMIKO CHIBA ASSOCIATES(新宿))同じ空間の使い方にギャラリーの個性が表れ、また、離れた場所にあるギャラリーの作品を一同に見ることができるのも嬉しいです。
廊下を歩きながら、ご飯を食べながら。アート作品と過ごす一日
ホテル内には、収蔵庫だけでなく、廊下やエレベーターホール、ラウンジなど、いたるところに現代アート作品が展示されています。これらは、館内に収蔵・展示するアート作品を公募する独自のアワード「KAIKA TOKYO AWARD」の受賞作品。
施設名の「KAIKA」には、見せる収蔵庫を意味する「開架」という意味に加え、日本のアート文化を広め「開化」させたい、さらに将来的にはアーティストの才能「開花」をサポートしたい、といった思いが込められているといいます。
廊下を歩きながら、ご飯を食べながら。若手アーティストたちの「開花」の瞬間となるかもしれない作品たちを楽しめるのも魅力です。
「その場所にしかない 新しい出会いと体験」を 全国で展開
このKAIKA 東京は、東京都現代美術館や、現代アートのギャラリーが集中する清澄白河地区にも近く、一方で、すみだ北斎美術館や江戸東京博物館といった伝統的な作品を扱う美術館も徒歩圏内。ホテル内の体験にとどまらず、近隣のアートスペースも合わせて楽しめそうです。
こちらのホテルを展開する「THE SHARE HOTELS」では、「KAIKA 東京」以外にも、土地の特性や建物の特徴を活かし「その場所にしかない 新しい出会いと体験」に溢れたホテルを全国に8施設展開しています。
例えば、「金沢の伝統を“汲む“場所」をコンセプトとし、工芸作家やアーティストとコラボレーションしながらつくられた「KUMU 金沢」。また、かつて美術館だった建物をリノベーションした「DOCK」棟と、同様に銀行だった「BANK」棟に、当時の備品と地元ゆかりのアーティストの作品を融合させて展示している「HakoBA函館」なども。
遠出は難しい時期ですが、近隣にある非日常空間のホテルで小さな旅気分を味わうのはいかがでしょうか?
施設情報
KAIKA 東京 by THE SHARE HOTELS
公式サイト https://www.thesharehotels.com/kaika/
アクセス 都営浅草線「浅草駅」徒歩8分 「本所吾妻橋駅」徒歩9分、都営大江戸線「蔵前駅」徒歩9分
住所 〒130-0004東京都墨田区本所2-16-5
TEL 03-3625-2165