まるで貝殻にも見えるヘルメット。波のような模様が浜辺によく似合っています。
「HOTAMET(ホタメット)」は、ホタテの貝殻から作られた環境配慮型のヘルメット。
自転車に乗る時のヘルメット着用が努力義務化されたことで注目を集めているなか、ひと際美しさが際立っていますよね。
でも、そもそもどうしてホタテの貝殻で作られることになったのでしょうか?
そんな疑問もあわせながら、今回は「HOTAMET(ホタメット)」の魅力や開発の背景を紹介していきます。
廃棄方法が課題だったホタテの貝殻を新素材の原料に!
「HOTAMET」は、1969 年創業の老舗プラスチック製品メーカー・甲子化学工業株式会社と、北海道猿払村(さるふつむら)の協力のもと開発されました。
猿払村は北海道北部に位置する宗谷(そうや)地区にあり、ホタテ水揚げ量日本一に何度も輝いている国内有数のホタテの生産地。
そのためこの地域では、年間約4万トンものホタテ貝殻が廃棄物として発生しています。
2021 年には貝殻の再利用を目的とした国外への輸出が途絶えたことで、保管や堆積場所の確保が地域の社会課題に。
しかし、焼却処分や埋め立て処理では、廃棄に伴う悪臭や地下汚染が問題視されていました。
そこで甲子化学工業は、ホタテ貝殻の主成分である炭酸カルシウムに着目し、新素材へのリサイクルに着手。
こうして生まれた素材から作られたのが、「HOTAMET」なんです。
オールごみ由来!?耐久性に優れた「カラスチック®」とは?
ホタテ貝殻のリサイクルで生まれた素材の正式名称は「カラスチック®」。
廃ホタテ貝殻に加え、廃プラスチックを原料とする、“オールごみ由来”の新素材です。
新品のプラスチックや石灰岩由来のエコプラスチックよりもCO2の削減になることから、より環境に配慮した素材として注目を集めています。
また、ホタテ貝殻にプ廃プラスチックを混ぜ込むことで、製品の強度(曲げ弾性率)を高める効果があるのだそう。
資源の有効活用という側面だけでなく、ヘルメットの素材としても優れているのがポイントですね。
軽くて、丈夫で、おしゃれ!いいとこ取りのヘルメット!
もちろん、素材の他にもヘルメットの安全性を高める工夫がされています。
例えば、ホタテ貝を模倣した凹凸のあるデザインは、リブ構造と呼ばれるもの。
外部の衝撃に対する耐久性を高めると言われているこのデザインは、軽量化と頑丈さが求められるキャリーケースにも使われていますよね。
強度の高めた素材と貝殻をモデルにしたリブ構造を採用することで、約400gという一般的なヘルメットの重さはそのままに、耐久性を約30%も上げることに成功しています。
さらに、ホワイト・ベージュ・ブラック・ブルー・ピンクの5色から選べる豊富なカラーバリエーションも大きな魅力。
柔らかみのある色合いは、おしゃれ感覚で身につけることができます。
自転車用、防災用に。
貝殻は、もともとは生物が外敵から身を守るために作られたもの。
厳しい自然界で、命を守り続けた貝殻を無駄にすることなく、人間を守るものへ活用していく。
「HOTAMET」は、“漁師の安全を守るヘルメットをホタテの貝殻から”という想いで開発されました。
地域の大事な産業を担っているホタテに敬意を表しているようなコンセプトが素敵ですよね。
もちろん漁師に限らず、多くの人の頭を守ってくれるヘルメットとして活躍してくれます。
いざという時に命を左右するものだからこそ、こだわりのものを選びたいものですね。
商品情報
商品名 HOTAMET
販売元 甲子化学工業株式会社
公式サイト https://koushi-chem.co.jp/hotamet/