東京のしられざる名所「町工場」からうまれた心躍る個性的な プロダクトをご紹介!

ナンスカ編集部
ナンスカ編集部
2019.10.07

東京オリンピック開催が間近に迫った今日この頃。海外からは日本の文化や産業への注目度がますます高まっています。そこで、みなさんは東京名所と聞いて何を連想しますか?
東京スカイツリーや浅草寺、上野動物園、アメ横、お台場などなど、東京は全国的な名所が盛りだくさん!このようなスポットに一度は行ったことがある人が多いのではないでしょうか。
しかし、違った角度でアンテナを張ってみると、実は東京にはまだまだ隠れた名所が沢山あるのです。その一例は、ドラマ「下町ロケット」の大ヒットでおなじみになった町工場!

東京の下町といわれる「台東区」「足立区」荒川区」「墨田区」「葛飾区」には町工場が集中しており、その数なんと9,100工場! 
普段は馴染みのない「町工場」ですが、それぞれに個性がありとても興味深い場所なのです。そんな知られざる東京名所「町工場」の魅力を、そこからうまれたユニークなプロダクトを通してご紹介します!

パッケージ製造技術の応用からうまれた「え!?本物」なブックカバー。

東京パック株式会社(http://www.tokyopack.co.jp/)はプラスチックの成型技術で化粧品や文房具のパッケージを製造している町工場です。

【バンビ―テックスブックカバー】はその技術を応用して開発されました。見た目の楽しみと触れる心地良さへのこだわりをコンセプトにしています。「本を読む」ということの創造性を改めて感じさせてくれるプロダクト。出かけるときに持ち歩きたくなりませんか?

聞いているだけでワクワクしてくる商品開発ストーリーを、インタビュー形式でお届けします!

革の抜型製造技術からうまれた、革の素材感があふれるかわいらしい動物たち。

有限会社篠原刃型(http://yu-factory.com/)は、皮革・繊維裁断のためのスエーデン鋼抜型の制作、及び皮革の加工を行っている町工場です。【レザーアニマル】はその技術を応用して開発されました。

本革の美しさに触れながら、動物をイメージして、指先で思い思いの一頭をつくれるニュータイプのおもちゃです。先進の裁断機器を活用し、細やかな切れ込みまで入れてあります。その精巧さで大人から子供まで楽しめるのです。そして、濡らすと繰り返して遊べる優れもの!

お部屋に飾ったり、ジオラマ製作に挑戦したりとアイディア次第で色々な楽しみ方がありそうなプロダクトです。

金属でも、プラスチックでもない。紙で紙を切るユニークなペーパーナイフ。

株式会社丸庄は和紙問屋(http://www.msmarusho.co.jp/)として創業し、現在ではデザインから印刷業、WEBサイト製作といった販売促進業務をトータルに行う町工場です。

【名刀 紙切丸】は長年培われた「紙」へのこだわりから開発されました。

細部まで紙製にこだわったユニークなペーパーナイフです。紙の専門家だからこそ実現できた、一般的な「紙」には無い強靭さと耐久性を備えています。金属やプラスチックとは違った紙だからこその「軽さ」や「柔軟さ」といった機能をもっています。自然派素材の温かみを活かし、環境に配慮したペーパーナイフです。

紙のように金属が折れる! 折り紙のようにつくる半永久的に鑑賞可能なオリジナルプロダクト。

石川金網株式会社(https://ishikawa-kanaami.com/)は金網専門メーカーとして、様々な分野に金網製品を供給しています。その領域は、工業機械用途から建築分野の装飾用まで多種多様です。

【金網折り紙 ORIAMI】は布のようにしなやかで紙のように張りがある金網を使い、折り紙と同じように様々な形をつくることができます。金属が持つ剛性と極細線の特徴により、紙を使用した時に比べてしっかりと形を保ちます。折り紙よりもソフトな風合いと重厚感までもった不思議な素材です。

【金網折り紙 ORIAMI】で日常に自身で気軽に楽しめるアートを取り入れてみませんか?

 

ここまで、遊び心あふれるユニークなプロダクトをご紹介しました!しかし「町工場」といえば、みなさんが日常で使うものより、機械部品の製造を行っているイメージが強くありませんか?

日本の「町工場」では、製造工程の細分化と専門が進み、一気通貫でみなさんが日常で使うような商品を手掛けているところは本来少ないのです。ではなぜ「町工場」から日常使いのユニークなプロダクトがうまれているのでしょうか!?

低価格な海外生産品の競合に「町工場」がさらされた時代。

バブルが崩壊し、1990年代には低価格大量生産を武器とする海外企業の台頭が顕著でした。
輸入品が「100円ショップ」や「量販店」を中心にシェアを伸ばしていったのです。
そういった社会背景から、「これまで自分がつくってきたものが、こんなに安くつくれてしまうのか」とモチベーションを落としてしまう「町工場」も少なくなく、自ら事業をやめてしまう「町工場」がたくさんあったそう。
今まで実直にものづくりをしてきた「町工場」にとっては、とても厳しい時代になったのです。

技術を応用した自社商品開発で、現状を自力で打開するチャレンジ! 「町工場」支援プロジェクトが発足。

こういった現状を打開しようと「台東区」「荒川区」「足立区」「墨田区」「葛飾区」が一致団結して立ち上げられたのが「TASKプロジェクト」でした。
「町工場」が自社商品を開発して、市場に対して自力でチャレンジする場づくりを目的にしています。
発足当時、まず「TSAKものづくり大賞」という制度がつくられました。この制定を通して、優れた商品は有名小売店のバイヤーが多数集まる展示会への出品や、実店舗で試験販売の機会が提供されたそうです。このチャレンジの場は10数年たった今でも脈々と続いています。自社商品開発から新規の事業化まで到達する「町工場」も存在するそうで、大変有意義な仕組みへと発展しました。

社会の変化に応じて多様化していく「町工場」のチャレンジ。

「TASKプロジェクト」発足から10数年が経過し、社会環境も大きく変化しています。
商品は低価格で高機能が当たり前になり、それ以上に使用した時の「気持ち」や、SNSの台頭で使用者同士の「心地よい繋がり」が重視されるようになりました。
売る前も後も常にユーザーとの有意義なコミュニケーションを意識する時代が来たのです。
「TASKプロジェクト」では、こういった流れをうけて企画された「町工場見学ツアー」が人気を博しているそう。みなさんもぜひ、生のものづくり現場を体験してください!
そして「町工場」のチャレンジも多様化しているのです。技術を活用して医療分野への新規参入や、工場にある機器と場所を「ものづくり体験施設」として貸し出すサービス業への進出など、新たな試みがたくさんうまれています。

このような「町工場」を起点とした人と人とのハートウォーミングな交流が、次に時代を形作るヒントになっているのではないしょうか。
日本のものづくりは「町工場」にあり!みなさん一緒に盛り上げていきましょう!

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"日常の「何それ?」を楽しむメディア"ナンスカの編集部です。

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