7月2日が何の日か、みなさん知っていますか?
実は「タコの日」なんです。「へ~タコの日なんてあるんだ~。」と感じられる方も多いかもしれませんが、さらに謎がもうひとつ。
8月8日も「タコの日」なんです。なぜタコの日が2つも??
このページでは、2つの記念日がある「タコの日」のそれぞれの由来とともに、現在の「タコの日」について紹介していきます。
どうして「タコの日」が2つもあるの?
いわゆる「記念日」は、公的な機関が制定したものや、地方の自治体が地元の特産品などをPRするために取り決めたもの、企業や商店などが販促活動の一環として取り決めたものなどさまざまな形態をとっています。
どこかがとりまとめたものではないので、ある記念日が周知される前に他の団体も記念日を作ってしまい、重複することはよくあることなんです。
今回取り上げる「タコの日」は、日本記念日協会と広島県の三原観光協会がそれぞれ別に定めたことによって、2つの「タコの日」が生まれてしまいました。
7月2日「タコの日」 日本記念日協会
7月2日を「タコの日」として認定したのは日本記念日協会です。
「なぜ7月2日がタコの日なの?」と不思議に思われると思いますが、これは関西地方のある地域に昔からある風習に由来しています。
夏至から約10日後の7月2日頃のことを昔から「半夏生(はんげしょう)」といっていました。半夏生はちょうど田植えが終わる時期で、時期的には梅雨真っ最中の頃でもあります。
そんなこともあり、
・稲がタコの足のようにしっかりと根付いて、豊作となるように
・梅雨時期で減少しがちなこの時期に、夏に向けて体力をつけるように
と、タコを食べる慣習が根付いたといわれています。タコってあっさりしているのに、意外と栄養豊富なんですよ。
100g中16g以上のたんぱく質を含みますが、カロリーは低めです。血液中の中性脂肪や余分なコレステロールを排出する働きがあり、動脈硬化や血栓を予防するアミノ酸の一つ、タウリンが豊富。また、亜鉛も多く、月経不順にも効果があります。
引用元:レタスクラブニュースより
なかでも「タウリン」は、疲労回復や血液浄化作用などさまざまな効能があります。大正製薬のリポビタンDにも配合されていることで有名ですね!
田植えや梅雨で疲労がたまりがちなこの時期に、タコを食べることで体力を蓄えた、そんな昔の人の知恵にちなんだ記念日だったんです。
8月8日「タコの日」 広島県・三原観光協会
さて、2つめのタコの日です。
こちらは8月8日なので、「タコの足が8本だからなんだろうなぁ」とイメージがしやすいですね(笑)。
タコの足の数にちなんでタコの日が制定されたのは1988年ですが、広島県三原市とタコの関係は意外と古く、江戸時代からの歴史があります。
瀬戸内海に面する三原市はマダコの名産地です。三原では、傷みやすいタコにキズがつかないよう「タコ壺」を使ったタコ壺漁がおこなわれていて、江戸時代より世襲制で受け継がれているそう。
なかでも最盛期は盛夏の8月。このころの三原のタコは、柔らかで甘みと旨味をもつ極上品だそうです。絶品のタコの刺身をビールと一緒に!…考えただけでよだれがでてきそうです!
足の数が8本ということ、そしてタコの旬が8月ということ、この2つのマリアージュによって8月8日はタコの日として、三原市ではこの日にタコ供養をおこなったり、フェスタをおこなったりして記念日を盛り上げています。
7月2日「タコの日」はなくなってしまった?
このように2つの記念日がある「タコの日」なんですが、7月2日の「タコの日」のほうは、実は現在、日本記念日協会のHPでは確認できなくなってしまっています。
詳細のほうは不明なのですが、やはり「タコの日」が2つあったことが原因だったのでしょうか?
確かに、7月2日の「タコの日」は古くからの慣習とはいえ、主体となる団体となると不明確でした。一方、8月8日の「タコの日」は広島県三原市を中心に地方自治体が活動しています。その辺の差がでてしまったんでしょうか…?
とはいえ、関西のタコもとても有名です。明石のタコは極上ですし、現在でもタコ釣りとしてのレジャーでも人気。
どちらも古くからの慣習がもととなっているので、これからも「タコの日」として受け継がれていってほしいものです。