ニュースで「どようのうしのひに向けて、スーパーがにぎわっています!」と聞いた時、若き日の私は、完全なる勘違いから「土曜の牛の日」だと思い込み、土曜日に牛肉を食べよう!というキャンペーンか何かだろうと思っていました。
これ、意外と「わかるわかる~」と言う人も少なくないはずです。
今回は、そんな勘違いをしてしまいそうな「土用の丑の日」の意味や、関連人物「平賀源内(ひらがげんない)」について、さらに丑の日に欠かせない「うなぎ」の産地などもご紹介していきます。
「土用の丑の日」とはそもそもナンスカ?
夏になると、スーパーや季節のニュースで耳にすることが多くなる「土用の丑の日に、うなぎを食べる!」という習慣ですが、最近は「うなぎを食べる」が独り歩きして、そもそも「土用の丑の日」ってナンスカ?という人も多いようです。
まず、「土用」というのは四立(立春・立夏・立秋・立冬)直前の「約18日間」の期間を示す言葉です。
そして、昔の暦では日にちを十二支「子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)…」で数えていました。
勘の良い人はピンと来たと思いますが、
つまり「土用の丑の日」とは、「土用」の18日間に訪れる「丑」の日を言います。
そして土用は四立ごとにあるので、夏のイメージが強いですが、年に4回は土用があるのです。
ちなみに2019年夏の「土用の丑の日」は、7月27日で終わっていますが、2020年夏の「土用の丑の日」は、7月21日(火)。2021年の夏の「土用の丑の日」は、7月28日(水)です。忘れちゃいそうですよね(笑)。
はてさて、「土用の丑の日」については分かりましたが、肝心の「うなぎを食べる!」ということが解明されていません。
これは、さらに深堀りしないと、うなぎには辿り着けないようです…
「平賀源内」はうなぎを広めたインフルエンサーだった?
「土用の丑の日にうなぎを食べる!」という習慣に大きく関わったのが、日本初の発電器エレキテルを完成させ、江戸時代中期の発明家として知られる、平賀源内さんだと言われています。
平賀源内は、発明家としてだけでなく「文芸家」「陶芸家」「画家」「本草家」「企業家」などの活動もしていた、天才とも異才とも称される人物で、江戸では知らない人がいないほどの有名人だったようです。
そんな、「平賀源内」と「うなぎ」の関係は、近所のうなぎ屋が、夏の売り上げ不振に悩み相談したことから始まります。
相談を受けた平賀源内は・・・
「本日、土用丑の日!!」
という文言を店の前に貼り出し、「精のつく鰻は、夏を乗り切るのに最適」という内容も加えて売り込んだところ、店は大繁盛したということです。
つまり、今で言うと…
「有名なインフルエンサーの平賀源内が考えた、うなぎ屋のキャッチコピーが、めちゃめちゃバズった!!」
ということです。
今でも「猛暑を乗り切るために、土用の丑の日にうなぎを食べて精をつけよう!」という流れが引き継がれているのは、平賀源内の影響力ってすごいですよね。
知らなかった!意外過ぎる「うなぎの名産地」
土用の丑の日に食べたい「うなぎ」ですが、せっかくなら国産うなぎを食べたいですよね。
現在の日本のうなぎ事情は、食用の天然うなぎはほとんどなく、9割が養殖に頼っている状況です。
また、食用の主流だった天然の「ニホンウナギ」は絶滅危惧種に認定され、さらに養殖の難しさや費用面から、養殖も年々減少していました。
とはいえ、日本で美味しいうなぎが食べられるように、安定した生産にむけた研究が重ねられ、養殖技術は日々進化しているので、今後に期待していいはずです!
ということで、すいかの名産地~ならぬ「うなぎの名産地~」の都道府県ランキングを調べてみました。
予想では、あの湖のある県が上位だと思いますが・・・
うなぎ生産量ランキング
1位 鹿児島県
2位 愛知県
3位 宮崎県
4位 静岡県
5位 徳島県
うなぎが有名な浜名湖のある「静岡県」や、ひつまぶしがご当地グルメの名古屋がある「愛知県」が上位なのは予想通りでしたが、「鹿児島県」が1位とは、完全にノーマークでした!
でも、温暖な気候と豊富な水資源の南九州は、最適な産地のようで鹿児島に次ぎ、宮崎も3位と言うのも納得です。
「土用の丑の日」について知ると、うなぎを食べるのがますます楽しみになります。
うなぎの産地には、これからも美味しいうなぎを全国に届けて欲しいですね!