箸やカゴといった日用品、照明や家具などのインテリア、さらには伝統工芸品や建材など、昔からさまざまな物の材料として重宝されてきた竹。
加工しやすい一方で、強くしなやかで、なおかつ美しい素材として、今でも暮らしに欠かすことのできない存在です。
しかし、日本全体の需要低下や管理する人の減少に伴い、放置されてしまった竹林による害が近年問題視されています。
そこで今回は、“食べる”ことで「放置竹林」という社会課題にフォーカスを当てるスイーツ「BAMBOO GALETTE(バンブーガレット)」をご紹介します。
でも、本当に竹を食べることができるのでしょうか…?さっそく見ていきましょう!
竹を4分の1も使用しているガレット
「BAMBOO GALETTE(バンブーガレット)」は、パウダー状にした竹を食材として使っている、これまでになかったお菓子です。
福岡県にある放置竹林の竹と笹から作られた竹パウダーを、全体の約24%も使用しています。つまり約4分の1が竹と言っても過言ではありません!
まさに竹から生まれてきたような、竹をモチーフにしたパッケージもコンセプトにぴったりで見事ですよね。
とはいえ、香りや食感に存在感がある竹を美味しく食べられるようにするまでには、かなり苦労したのだそう。
この挑戦的なガレットを開発したのは、株式会社LIFULLと国内外から注目を集める新進気鋭のシェフ薬師神陸氏。
竹パウダーを香ばしく炒り、上質なバターとあわせることで、ホロホロサクサクの食感が心地よい、竹の風味が香るお菓子に仕上げました。
さらに、柚子の香りと、笹塩を加えることで、甘すぎない上品な味に仕上げているそう。
まさに、竹を味わい尽くすことのできるガレットです。
放置竹林による竹害が社会問題として深刻視されている
竹は、成長の速さと加工のしやすさから、サステナブルで好循環な素材として注目されており、実際に、地球環境に配慮した製品にも積極的に採用されている素材のひとつです。
しかし、その竹が育つ竹林も、人の手でしっかり管理が行われず放置されるようになると、地滑りなどの災害や生態系の破壊、さらには近隣住民とのトラブルの原因になってしまうことも。
現状として、放置竹林は年々増加の一途を辿っており、「竹害」は今後さらに深刻な社会問題になると考えられています。
だからこそ、竹の新しい用途を見つけることは、地球環境保護の観点から見ても、非常に意味のあることなんですね。
地球上でまだ光を当てられていない素材
「BAMBOO GALETTE」が生まれるきっかけとなったのは、「地球料理 -Earth Cuisine-」というプロジェクト。
“地球上でまだ光を当てられていない素材にフォーカスし、その素材を食べる事で地球のためになる、地球の新たな食材を見つける”ことをテーマに、杉の間伐材を使用した「EATREE CAKE(イートリーケーキ)」やカカオの廃材を原料にした「ECOLATE(エコレート)」といった、これまでになかった商品を開発しています。
「BAMBOO GALETTE」は、このプロジェクトの第2弾として生まれました。
需要の変化や担い手の減少などにより行く先を失ってしまっていた素材に、“食べる”という新たな用途を加えることで、地球環境保護の一助になろうという、大胆で面白い取り組みですよね。
食べることが環境保護につながる
良い素材はある、でも使いどころがない。それなら食べちゃおう!
話だけ聞けば、絵本の世界のような展開ですが、これを実現してしまったのが「BAMBOO GALETTE」です。
見て楽しい、食べて美味しい、竹の消費の一助になって嬉しい。
ストーリーがあるから、友人や取引先へのちょっとした手土産やプレゼントにすれば、そこから話を広げることもできますよ!
今後、さらにどんな新しい食材が生まれてくるのかも楽しみですね。
商品情報
商品名 BAMBOO GALETTE -竹害から生まれたガレット-
販売元 株式会社LIFULL(ライフル)
公式サイト https://table.lifull.com/BAMBOO GALETTEe/