子どもの頃住んでいた街や地元に久しぶりに行ってみたら、なんだか空き家が増えて、ちょっと寂しい雰囲気になっていた…なんて経験はありませんか?
少子高齢化に加え、ひとり暮らしや核家族が増えている現代では、日本のあちこちで空き家が発生しているんです。
空き家には、倒壊による危険だけでなく、不法侵入や放火などの可能性があるため、安全で住みよい街づくりに、この問題は避けて通れないと考えられています。
でも、せっかくならポジティブに利用していきたいですよね!
そこで今回は、瀬戸内の美しい島で、人々が集まる楽しい場所づくりに空き家を活用する「Kirikushi Coastal Villageプロジェクト」をご紹介します!
空き家率ワースト2位!空き家だらけの島を救え!
広島県江田島市は、広島市の真下にある瀬戸内の自然豊かな島。
生産量日本一の牡蠣やオリーブオイル、柑橘類や猪肉などの産地としても知られています。
一方で、広島からはフェリーで30分、車で40分という好立地にもかかわらず、人口減少が止まらず、増え続けた空き家率は広島県内でワースト2位を記録。
江田島市の人口はおよそ2万人。これに対し、空き家の数はなんと1800軒!
少子化が進み、人口の約半数が60歳以上の島において、空き家問題の解決がどれほど大きな課題であるかがわかりますよね。
江田島市活動団体「Enishi」について
そこで、住民や行政、企業と一緒に島を盛り上げるために、空き家の活用を中心に活動しているのが江田島市活動団体「Enishi(エニシ)」です。
日本各地で課題となっている空き家の有効な活用モデルを作るべく、クラウドファンディングを活用しながら、精力的にプロジェクトに挑戦しています。
Enishi(縁)という名前の通り、大切にしているのは人との縁。
空き家の活用を通じて、島内だけでなく、広島や県外から来る人との繋がりなど、人と人の縁を繋ぐための場所作りやイベントを企画しています。
島のイベントにもEnishiとして参加をすることで、交流を深めながら島全体を盛り上げています。
空き家を、人々が集い、つながる場に。
「Enishi」のメンバーの1人で、現在地域おこし協力隊として働いているのがプロジェクトの代表を務める蛇草(はぐさ)さん。
東京で、空間デザイナーとして店舗の内装デザインやオフィスの内装デザインを手がけていた経験を活かし、2021年3月末から江田島市で空き家活用ディレクターとして勤務しています。
現在、江田島市で一般的な空き家の活用法は、リフォームした住居として再利用するというもの。
そこで「Enishi」では新しい試みとして、“複数の店舗が集まり、事業者や島民の交流の場や観光客のスポットとして周辺地域を活性化できる複合施設”という新しい活用方法に挑戦しています。
複合施設 Kirikushi Coastal Villageプロジェクト
現在、開業に向けて改修が進められている施設名はKirikushi Coastal Village。
島の港・切串港から徒歩3分ほどの好立地です!
建物は、カフェやテナントが入れるように改装。
台所はチャレンジキッチンというかたちで、1日単位や曜日ごとに貸し出せるキッチンスタジオとして改装することで、飲食業にチャレンジしたい人なども気軽にトライできるような場所に。
他にも、敷地内にある現在も使われている状態のいい畑は、シェア畑として貸し出したり、収穫体験などのイベントを計画中なのだとか。
建物や畑の間には イベントやマルシェを開催するのにもちょうどいい中庭があります。
同じ敷地にさまざまな施設があることで、畑で収穫した野菜を使って、キッチンで料理を作ったり、マルシェで販売したり、カフェで提供したり、いろんなアイデアがすぐに実現できそうなところも興味深いですよね。
ここからどんな縁が生まれて、つながっていくのか、今後も楽しみなプロジェクトです。
プロジェクト情報
プロジェクト名 Kirikushi Coastal Village
団体名 江田島市活動団体 Enishi
公式サイト https://lit.link/kirikushicoastalvillage