「そうだ、箱根に行こう!」
新宿から箱根を約1時間で結ぶロマンスカーは、気軽に温泉に行ける手段として昔から人々に愛されてきた電車です。
窓も大きく、都会の喧騒からだんだんとのどかになる景色を眺めながらの電車旅は、私たちに休息の準備運動をさせてくれるようですよね。
今回は、ロマンスカーの初代を務めたSuper Express 3000のパーツを家具にアップサイクルする「ロマンスカー メモリアルパーツプロジェクト」をご紹介します。
ロマンスカーメモリアルパーツプロジェクトって?
「ロマンスカー Super Express 3000(通称:SE)」は、1957年に高性能特急専用車両として登場し、当時の世界最高速度145km/hを達成した車両です。
ロマンスカーのイメージを一新させただけでなく、新幹線の開発にも影響を与え、日本の鉄道史にとっては非常に重要な車両だということは知っていましたか?
そんな貴重なSEの車両は、引退後も大切に保存され、今年(2021年)の4月に神奈川県海老名市にオープンしたロマンスカーミュージアムで歴代の車両と共に展示されています。
ミュージアム開館記念で企画されたのが今回ご紹介する「ロマンスカーメモリアルパーツプロジェクト」。
引退したロマンスカーのパーツを、末永く愛用しやすい家具にリメイクすることで、自宅でSE車両を感じることができるというファンにはたまらないプロジェクトですよね。
第2弾となる今回は「SE・ロマンスソファー」「SE・ロマンスカーテーブル」「SE・走る喫茶室サイドボード」「SE・ガラスキャビネット」「SE・邂逅灯(ライトスタンド)」の5点を販売。
販売収益の一部は、引退したロマンスカー車両の保存管理費用として活用されるそうです。
プロダクトの一部をご紹介!
SE・ロマンスソファー
格調高い色味と、レトロなデザインの2人掛けソファーは、SE(3000形)の座席をそのまま使用しています。
お家にこんなソファーがあったら、電車マニアじゃなくても思わずテンションがあがっちゃいますよね。
軽量化にこだわって設計した当時のエンジニアたちの熱量と、木製の足によるインテリアとしてのぬくもりや柔らかさを同時に堪能できちゃいますね。
SE・走る喫茶室サイドボード
SEの代名詞とも言われていた「走る喫茶室」。
当時は、食堂車も珍しくない時代でしたが、移動時間を考慮して、あえて食事ではなく、ドリンクや軽食を席まで届けるサービスを提供すると、またたく間に話題に。
このサイドボードは、喫茶カウンターの向かいに設置されていたショーケースを生まれ変わらせたもの。
5両編成に1か所しかない設備のため、提供できるのも1点のみというレア度の高さも魅力的。
SE・邂逅灯(かいこうとう)(ライトスタンド)
スッキリとしたデザインが印象的なライトは、SEの天井に設置されていた蛍光灯カバーをリプロダクトしたもの。
こちらにも最新車両のローズバーミリオンを塗っています。
製品名にもなっている邂逅(かいこう)とは、“思いがけず出会うこと”“巡り逢い”を意味する言葉。
初代のパーツと、最新のロマンスカーのイメージカラーであるローズバーミリオンが、1つのライトで邂逅する。
そんなテーマが込められたライトスタンドです。
光源にはLEDを使用しているので、長時間使用可能で、お部屋のメイン照明として使えるくらいバッチリ明るいそうですよ。
歴史や思い出をつなぐアップサイクルという選択
これまで歴史的資料の保存と言えば、大切にそのまま維持されることを主としていました。
もちろん、もとの姿で残していく意味はありますが、一方で、そこに思い出がある人々にとっては、二度と近づけない、触れられないというのは寂しいものですよね。
以前ご紹介した、廃線を利用する「レールマウンテンバイク ガッタンゴー」のように、ただ保存するだけでなく、それを有効活用できる生きた遺産としてアップサイクルさせる取り組みも増えてきています。
ロマンスカーを愛する人のもとに、ロマンスカーの一部が家具として生まれ変わり、思い出と共にまた新たに愛される。
そんな残し方も、素敵だと思いませんか?
プロジェクト情報
プロジェクト名 Romancecar Memorial Parts Project vol.3
企画元 株式会社小田急エージェンシー
公式サイト https://www.odakyu.jp/romancecar/se_memorial/