なかなかお盆の帰省や集まりが難しい昨今ですが、私はお盆が来るといつも、夏を感じながらも「もう夏も終わるなあ」と思ってしまいます。
お盆と言えば、キュウリやナスで馬や牛を作ったり、迎え火・送り火をしたり、地方によってさまざまな風習がありますよね。
仏壇には、沢山のお供え物や提灯飾りが並び、先祖を敬いもてなします。
お盆に飾る提灯として高いシェアを誇る八女堤灯(やめちょうちん)は、経済産業省指定伝統的工芸品に指定されている歴史ある伝統工芸品。
今回は、仏具のイメージがある八女提灯を、もっと普段の暮らしに取り入れやすくした新しいスタイルの提灯「cocolan(ココラン)」をご紹介します!
伝統工芸をもっと普段の暮らしに
日本人にとってお盆という感覚はいまだに根強くあるものの、都市部を中心に核家族化が進むなかで、昔のように家の中に大きな仏壇をおくことや、大勢が集まる習慣は廃れつつあり、それに伴い、提灯を飾るという風習も失われつつあります。
そこで生まれたのが、伝統工芸としての技術を生かしながら、形や柄を現代風にアレンジし、普段の生活に馴染むインテリアとして作られたミニ堤灯「cocolan」。
これまで仏具として限定的な使われ方をしていた提灯を、もっと楽しく、カジュアルに、日常のアイテムとして使うための新しい提灯のカタチです。
若い職人を大切に育てながら伝統をつなげていく
約200年の歴史を持つ八女提灯。
発祥の地である福島町では、昔から和紙や竹など提灯作りに必要な材料が豊富に揃っていたこともあり、提灯作りは地域の産業として大きく栄えてきました。
日常使いできるミニ提灯「cocolan」を手掛けたのも、そんな八女の地でお盆用の提灯に使う火袋を専門に作ってきた有限会社シラキ工芸。
シラキ工芸は、八女提灯の伝統を守りながら職人を育てているだけでなく、堤灯の絵付け体験のワークショップを開催するなど、提灯に触れる機会や体験の場を広げる活動にも積極的です。
また、提灯作りだけで食べていけるように職人を正社員として雇用し、一から丁寧に教えるという理念のもとで、伝統工芸としては珍しく、若い職人が多く活躍しているのも特徴です。
安心して働ける環境があるからこそ、若い職人たちが成長しながら挑戦を重ね、伝統を受け継ぎながらも提灯の新しい魅力を世界に発信していけるんですね。
かとうのお気に入り「cocolan」3選
達磨シリーズ「てやんでぃ」
全部で16種類と「cocolan」のシリーズでは圧倒的に最多となる達磨シリーズから、私がピックアップしたのは、迫力があるのに可愛らしい「てやんでぃ」です。
達磨シリーズは大きく「久留米絣達磨」と「桜達磨」の2種類に分けられていますが、こちらは福岡の南の方で製造されている絣模様を取り入れた「久留米絣達磨」。
達磨シリーズの達磨たちは、可愛らしさやかっこよさのなかに、どこか憎めないお茶目さを秘めた表情をしています。
伝統工芸だからといって使う人を緊張させない、どこかクスっとさせてくれるようなユーモアがふんだんに取り入れられていますよね。
ツリーシリーズ「ステンドグラス」
全4種類あるツリーシリーズのなかでも、ひと際カラフルなのが「ステンドグラス」。
和紙の独特の透け感は、ガラスやプラスチックとも異なる美しさを楽しませてくれます。
明るい時と、灯りを付けた時で、色や模様の見え方に変化があるのもカラフルな提灯の魅力ですよね。
MUJIシリーズ「豆三角」
シンプルやモノトーンを好む人にオススメなのが、MUJIシリーズ。
絵付けが無い分、素材の質感がより強く感じられますよね。
洗練されたやわらかい灯りは、落ち着いた大人の空間にもマッチして、ムードをより高めてくれます。
数ある形のなかでも、特に私が気に入ったのがこの「豆三角」。
木のような、傘のような、はたまたキノコのようにも見えるフォルムがなんだか愛らしいと思いませんか?
ベッドサイドに置いたら、深い眠りにつけそうです。
いつもの光景に提灯のぬくもりを
和のイメージが強い提灯も、現代的な絵や形になることで、洋風でモダンな空間にもマッチするようになっています。
「cocolan」は、長い歴史の中で受け継がれてきた丁寧で確かな技術を、もっと気軽に、もっと親しみを込めて、次の世代に繋げていくための、希望の光を灯してくれるアイテムです。
商品情報
商品名 cocolan(ココラン)
販売元 有限会社シラキ工芸
商品販売ページ https://cocolan.shop-pro.jp/