環境負荷とフードロス削減にも貢献できる、お米由来のプラスチック「ライスレジン」って何?

かとうかのこ
かとうかのこ
2021.07.21

わたしたちが日々食べているお米。

生産者を経験してからますます身に染みていますが、いくら機械化が進んでも、米作りというのは、手間と苦労を惜しまずには作ることができないんですよね。

しかし一方で、古くなったり、砕けて販売できなくなったり、さまざまな理由で食べられないお米があることはあまり知られていないのではないでしょうか?

ナンスカでは、これまでも「ヨシノチップス」や「NUNOUS(ニューノス)」など、アップサイクルを軸としたユニークな新素材をご紹介してきましたが、今回の原料は、この廃棄されるお米。

今回は、加工しやすいプラスチックの特性は残しながら、環境負荷を減らすバイオマスプラスチックとして活用できるお米から生まれた新素材「ライスレジン」をご紹介していきます!

ライスレジンってどんなもの?

ライスレジン

「ライスレジン」とは、お米を原料の一部に利用したバイオマスプラスチック樹脂。

日本では、毎年多くのお米が生産されますが、そのなかで食べられなくなった古いお米や精米時や米菓製造で発生する砕けたお米、浸水被害を受けたお米、非食用の資源米などが発生してしまいます。

これらの食用に適さないお米をアップサイクルし、国産バイオマス資源として有効利用したバイオマスプラスチック樹脂が「ライスレジン」です。

お米は最大70%まで混ぜることが可能なので、その分石油系樹脂の使用量を減らすことが出来ます。

一方で、樹脂としての品質は石油系プラスチックと変わらない扱いやすさを持っているので、持続可能で環境負荷を減らせる新しいプラスチックとして、いま大注目されているんですよ!

ライスレジンを活用したプロダクト紹介

お米のおもちゃシリーズ

ライスレジン

実はこれ、過去に実際友人の子どもに贈ったことがあるんですよね。

その時もまさに、赤ちゃんが触ったり口に触れたりするものだから、より安心できる素材のものにしたいと考えて選びました。

当時はお米の生産者でもあったので、「お米のおもちゃ」というネーミングに惹かれたことも覚えています。

「ライスレジン」は植物由来の生成り色がベースで、色素を入れても柔らかな色合いになるので、カラフルだけど優しい特徴的な色味が可愛らしいですよね。

食器

ライスレジン
試作イメージ

私たちが一番取り入れやすいのは毎日使う食器じゃないでしょうか?

すでに「ライスレジン」製の『お箸』『スプーン』『ストロー』『おちょこ』などが製造され、一般販売されています。

樹脂製でありながら、どこか高級感を感じる風合いのヴィジュアルと、滑らかな舌触りが好評で、百貨店・新潟三越伊勢丹では、一部のレストランや社員食堂に「ライスレジン」の食器を取り入れているそうですよ。

おもちケース

ライスレジン
試作イメージ

こちらは、試作イメージなのですが、あまりにも「ライスレジン」にぴったりのチョイスなのでピックアップしました。

お米で作ったお餅を、お米で作ったプラスチックというのが、なんだか洒落が効いているというか粋というか、とにかくこれ以上ぴったりな組み合わせはないだろうとひとりで大興奮!

お米でお米をラッピング、いいですね~!

持続可能な社会に向けて

ライスレジン

「ライスレジン」の原材料は、国内の非食米を使用するため、フードロス削減に貢献できるだけでなく、海外からの原料輸送にかかるCO2 排出の削減をカットすることができます。

さらに、お米を含んでいる分だけ石油の樹脂が減るため、燃やしたときのCO2もその分減らすことも可能なので、ラッピング用の素材としても注目されています。

社員食堂などに導入した百貨店のように、今後はSDGsのひとつの取り組みの形として、企業単位でどんどん利用していくのもいいと思います。

大切に作られたお米を、無駄なく有効活用できる新素材「ライスレジン」が当たり前に使われる社会は、そう遠くないかもしれません。

商品情報

商品名  ライスレジン
販売元  株式会社 バイオマスレジンマーケティング
商品販売ページ  https://www.biomass-resin.com/product/

かとうかのこ
WRITER PROFILE

かとうかのこ

大学卒業後、海外を放浪したのち農業を始める。農業の傍ら、農や食を中心にライターとしても活動。美味しいものと、温泉、旅が好き。特技は、手だけでモコモコかつなめらかな泡を作ること。

Twitter:@kato_kanoko

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