レジ袋有料化、フードロス問題、SDGsの取り組み…
現代に生きる私たちは、大量消費し続ける時代から、持続可能で循環型の社会を目指す時代へ移り変わろうとしています。
でも、未来のために、今を生きる私たちが我慢し、苦労するのではなく、「自分たちが楽しい、住みやすいと思える社会を未来にもつなげる」ことが大切です。
今回は、“自分たちが住みよい環境を作っていく”視点から、渋谷・原宿を中心にゴミやロスを削減するプロジェクトを仕掛けている「530week」の取り組みをご紹介します。
530weekって何?
ゼロウェイストという言葉はご存じですか?
ごみをどう処理するかではなく、無駄や浪費をなくしながら、ごみ自体を出さない社会を目指すことです。
そんな「0 waste」をコンセプトとし、渋谷中心を拠点に活動している20-30代の活動家たちのコミュニティが「530week」です。
興味深いのは、彼らは「ゴミを無くそう!」「無駄をなくそう!」という啓蒙活動だけではなく、体験型のプロジェクトを通じて、企業、消費者、行政などあらゆる立場の人たちを巻き込み、地域やコミュニティを盛り上げている点です。
「ゴミをなくすこと」ではなく、「自分たちが居心地の良い社会を作ること」というポジティブなヴィジョンが根底にあります。
自分たちの“縄張り”を居心地よく
「530week」の具体的な活動として、原宿のキャットストリートを拠点に、循環型社会を地域から始めようとしているコミュニティがCAT Street Circular Hack Projectです。
私たちは自分の好きなことを楽しみ続けるために生きています
そのために自分たちの縄張りであるキャットストリートの環境を守ります
をコンセプトとし、ゴミ拾いなどの活動をしながら、商店会や地域活動にも積極的に参加し、コミュニティを盛り上げていくことも大切な活動としています。
自分たちの愛する地域を「縄張り」と呼び、より楽しい、より居心地のいい街を目指す過程に「530week」の活動があります。
自分たちのコミュニティから始まる循環型社会
Boomerang Bags
Boomerang Bagsは、不要の布からバッグを作ったり、紙袋を再利用したりすることで、使い捨てのプラスチックバッグの削減を目的とした取り組みです。
オーストラリアで始まったプロジェクトを、原宿キャットストリートでも、買い物袋の選択肢として取り入れ始めています。
循環の中で出会う、自分で選ばないようなデザインのBoomerang Bagsへの遭遇は、トレンドやファッションの中心である原宿を縄張りにする人たちにとっても、新鮮で刺激的な体験になるはず。
●プラスチックバッグ以外の選択肢としてBoomerang Bagsを利用できる。
●専用のタグのついたバッグは、次回来た時に店舗で返却できる。
●使っていないバッグをBoomerang Bagsとして寄付できる。
●余り布やTシャツを再利用し新しいバッグを作るワークショップを開催。DIYキットも販売中です。https://530week.official.ec/items/36200168
自分が寄付したバッグが、巡り巡って自分のBoomerang Bagsとして貸し出された日には、間違いなくテンション上がりそう!
bread beer
bread beerは、「530week」が企画に携わり誕生した「パンを使ったビール」です。
六本木にあるBricolage bread & co.というお店で余ってしまうパンの耳を原材料の一部にして、長野の野沢温泉村にあるビール醸造所・AJB – Anglo Japanese Brewing Company がオリジナルレシピで醸した美味しいビールです。
もちろん、ただ奇をてらった商品ではありません。
お店で廃棄されてしまうパンの耳を原材料に利用することで、世界的に大きな改善が求められているフードロス問題へ貢献しています。
つまり、飲めば飲むほど、消費者もフードロス問題に貢献できるということ。
さらに、売り上げの1%が「530week」に還元されることで、今後の活動資金にも使われる仕組み。
bread beerを飲むことによって、離れていても、会ったことがなくても楽しみながら「530week」の活動に参加し、サポートできる仕組みが見事に商品化されています。
楽しさの循環で新しい社会を作っていく
「530week」のメンバーは、自分たちを“意識高い系ではない”と言っています。
自分たちの住む環境を、心地よくしたい、楽しくしたいと思うことは、誰もが自然に思うこと。
自分の家を住みよくしたいと思う気持ちが、近所へ、地域へ広がっていく。
そんなリラックスした気持ちで、もっと楽しく、面白く、社会を変えていくことができるのではないでしょうか?
「530week」の活動に、今後も注目していきますよ!
プロジェクト情報
プロジェクト名 530week (ゴミゼロウィーク)
公式サイト https://530week.com/