普段は車移動が多い私ですが、いざ電車が無くなると言われると困ります。
とはいえ、電車を走らせるためには、線路・車両・駅舎などの各設備のメンテナンスなど、乗客が毎日安全に乗るためにやることが山ほどあります。
そのために必要なのが、お金です。しかも、大金。
首都圏ならともかく、地方に行くほど利用者が少なくなりがちなローカル線を経営するというのはなかなか厳しいもの。
これまでにも、残念ながら廃線となった鉄道はいくつもありました。
そこで今回ご紹介するのは、千葉県銚子市の銚子鉄道が販売している『まずい棒』です。
「え?電車を紹介するんじゃないの?」いえいえ、違います。
今回は、経営ギリギリ赤字連続の鉄道会社が売り出しているユニークなお菓子『まずい棒』を要チェック!
「まずい」のは味ではなく、経営なんです
食べものの商品名に「まずい」と付けちゃうなんて…いろんな意味でまずいのでは…?
思わず誰もが警戒してしまうネーミングですよね。
でも、この『まずい棒』の「まずい」の意味は、「経営状況が、まずい!」なんです。
「何それ…」って思いますよね?
ところが会社の危機を隠すことなく、お菓子に「まずい」と付けたそのインパクトも相まって、鉄道ファンを中心に話題に!
2018年8月3日(破産の日)に発売という徹底的なユーモアセンスを武器に、売り上げは現在200万本を突破!
マイナスポイントを逆手にとって、勝ちにでる!まさに勝負師のなせる業ですね。
食品会社が電車を走らせる!?
『まずい棒』を販売しているのは銚子電気鉄道株式会社、通称・銚子電鉄。
おそらく誰もが鉄道会社と考える銚子電鉄には、食品販売事業部があり、なんと売り上げの約80%をこの食品事業で担っています。
残り20%が鉄道事業なのですが、こちらは今も赤字経営。
食品の売り上げでどうにか存続しているという、非常にめずらしい鉄道会社なんです。
そして、この『まずい棒』も、電車を走り続けさせたい熱い思いによって生み出されたお菓子です。
味は、コーンポタージュ味・チーズ味・ぬれ煎餅味・スーパーまずい棒(炭火地鶏味)の4種類ですが、なんと今月9月にチーズ味がリニューアルした「か〜るいチーズ味」が発売に!
さらに、社長が、老朽化した車両をみて「わ、サビ…」と言ってしまったことから10月には「わさび味」が発売されるそうです!!
どんなピンチも何気ない一言も商機に変える、そのアンテナはお見事と言わざるを得ませんね。
銚子電鉄の熱い想い×名プロデューサー×ホラー漫画家の巨匠
『まずい棒』の企画・プロデュースしたのは、株式会社たきびファクトリー代表で怪談蒐集家の寺井広樹さん。
さまざまな怪談に詳しいだけでなく、「離婚式」や「涙活」など、非常にユニークな企画を打ち出すプロデューサーとしても有名です。
実際に、銚子電鉄の人気イベントのひとつである「お化け屋敷列車」のプロデュースも手掛けています。
そんな寺井さんと銚子電鉄がタッグを組み、銚子電鉄の看板商品である濡れ煎餅に次ぐヒット商品を生み出そうと試行錯誤の末に生み出したのが、この『まずい棒』なんです。
当初は、本当にまずい味にしようと思っていたそうですが、あくまで味は美味しく、「経営がまずい」という意味をかけたお菓子に仕上げました。
さらにイメージキャラクターの「まずえもん」は、ホラー漫画の巨匠として知られる日野日出志先生による書下ろしということで、鉄道ファンのみならず、ホラーファンからも注目を浴びることに!
みんなの力で電車を走らせよう!
『まずい棒』をはじめ、キャッチ―な話題とともにヒット商品や企画を生み出し続けている銚子電鉄ですが、最近は新型コロナウイルスや自然災害の影響を受け、経営状況はさらに「まずい」ことになっているそう。
さらに、老朽化が深刻な変電所をいよいよ本格的に修繕しなければならない局面を迎えているなど問題は山積みです。
今年で創業97年を迎える長い歴史を守り抜くために、電車を走り続けさせるために、ついには『電車を止めるな!』という映画まで作成し、まさに現在上映中!!
必死に電車を走らせ続ける鉄道マンやスタッフたちの熱い想いに、こちらまで胸が熱くなる!
とりあえず、『まずい棒』食べてみない?
商品情報
商品名 まずい棒
販売元 銚子電気鉄道株式会社
公式サイト https://choden-mazuibou.com/